40代医師のキャリアプラン

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キャリア

公開日:2019.04.23

40代医師のキャリアプラン

40代医師のキャリアプラン

医師は生涯現役で働き続けることもできる職業です。一つの医療機関で長く働き続けられるなら最上ですが、人生の節目でどうしてもキャリアを変えなければいけないタイミングというのも出てきます。

40代の医師は、医師としての経験が10年以上あるベテランですが、だからこそキャリアに関してはしっかりと考えなければいけません。40代医師にはどのようなキャリアプランがあるのでしょうか?

1:医局に所属し続けるか決める大事な時期

現在では医局に所属する医師は少なくなりましたが、過去ほどではないといえ、現在でも医局の影響力は大きくなります。特に大学で教授職として教鞭をとるためには、医局に所属しつづけることが必要になります。

ただし40歳前後というのは医局でどの程度出世することができるか分かるようになってくる時期でもあります。医局での出世がそこまでできないとなったら、医局からの退局を選択をする医師も当然出てきます。医局は独特な人間関係や派閥があるため、働きづらさを感じ退局する医師もいます。

医局は、まだ所属する医師がとても多いため、診療科にもよりますが激務を避けワークライフバランスの取れた生活を送りやすくなります。また大学病院やその関連病院での勤務になるため、社会的地位も高く、専門的な症例の経験もしやすくなります。

しかし医局人事で勤務する病院は、一般の民間病院よりも給与が低い傾向にあります。大学病院やその関連病院は社会インフラの一部として採算性のない診療科も開いておく必要があるため、利益の追求という面では民間病院よりも弱いためです。大学病院と民間病院では、同じ年齢や同じスキルでも年収300万-500万円ほどの収入の開きが出ることがあります。

医局に所属していた医師は、基本的に民間病院から受けがよい傾向があることも特徴です。医局で十数年働いていたならば、専門医などの資格の取得や症例の経験も十分であるためです。40歳前後で医局から民間病院に転職する場合、何らかのポジションに就ける可能性もあります。40歳というのは、このように医局に所属し続けるかどうかを決める重要なタイミングになります。

2:民間病院で勤務する場合の成功ポイント

40歳は人にもよりますが、人生三大資金と言われる住宅・教育・老後資金について考えなければいけない年齢です。そのため、給与というものがとても大切になってきます。民間病院は大学病院などに比べて、給与水準は高いです。しかし診療科や地域、資格、勤続年数などにより大きく左右されます。

民間病院で勤務する場合は、なるべく一つの病院に勤め続けることが重要となってきます。その理由の一つは、勤続年数による給与の向上です。基本的にどの病院でも勤続年数が多くなればなるほど、給与も高くなっていきます。もう一つの理由は退職金です。常勤医として勤務しているならば、退職するときに退職金を貰える病院がほとんどのはずです。退職金は勤続年数によって決まるので、長く勤めれば勤めるほど大きな金額となります。

現職に大きな不満がない場合は、できるだけ一つの病院で働き続けるようにするとよいでしょう。ただし現職に不満があることも十分に考えられます。安定した職場を捨てて転職をするのは大きな決断ですが、働くことがストレスになっているならば、心身の健康を考えて思い切って転職をすることも一つの手段です。

その際に気を付けたいのが、最低限収入は現職と同等以上になるようにしましょう。40歳は人生三大資金について考えなければいけない年齢ですから、やりがいや働きやすさだけを求めて、給与が少ない医療機関で働くことは避けなければいけません。

実際にどのような労働環境なのか、どのくらい給与をもらえてどのようなペースで上がっていくのか、退職金規定や福利厚生は充実しているか、このようなことを考えて応募する病院を決める必要があります。

3:開業する最後のチャンス

勤務医として働き続けるのではなく開業をする場合、40代が最後のチャンスとなります。50代でも開業できないわけではありませんが、年齢の制限が掛かるため金融機関から融資が受けにくくなります。大学病院などで経験を積んで開業をしようと考えている場合、30代後半~40代前半くらいを目途に計画を立てるとよいでしょう。

年齢は医師としては経験の豊富さとなりますが、金融機関から見ると働ける期間が少ないということでもあります。自己資金だけで開業するのは非常に困難なため、早いうちから開業計画を立てておきましょう。

ドクタービジョン編集部

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