お役立ち 2020.05.15

生活習慣病が日本の脅威に。いま医師に求められること

生活習慣病が日本の脅威に。いま医師に求められること

生活習慣病とは、「がん」「脳血管疾患」「心疾患」の日本人の三大死因となっている疾病のリスクを高める糖尿病、高血圧、脂質異常症、動脈硬化などのことを指します。生活習慣病という名前の通り、普段の食事や運動、喫煙、飲酒、ストレスなどの生活習慣が発症のリスクとなり、それが現在の日本では大きな問題となっているのです。今後、医師はこうした生活習慣病にどのように関わっていけばよいのでしょうか?

1:なぜ生活習慣病が日本の脅威になるか

生活習慣病が脅威になる一つの理由として、がんや脳血管疾患、心疾患など、死亡に至る可能性がある病気のリスクを高めてしまうことが挙げられます。現在日本には保険制度があるため、患者さまの負担額を最小限で済ませることができます。しかし、がんのように長期間の治療が必要となる疾病は、多くの保険料が国庫から支出され、くも膜下出血や心筋梗塞など、急性の循環器疾患を発病した場合も、手術のコストが高いうえにリハビリが長期にわたる可能性があり、国庫の支出額は増すばかりです。

高血糖、コレステロール値異常など、まだ生活習慣病が発病していない状態ならいいですが、いざ発病してしまうと一生を通しての治療が必要となり、一回の治療費は少額でもそれが生涯続くとなれば患者さまの負担も国庫の負担も大きくなってしまうのです。

また、生活習慣病は基本的に年齢を重ねれば重ねるほどにリスクが高くなります。

これから日本は世界でも前例のない少子高齢化社会を迎えるため、生活習慣病による医療費が増大すると社会保障費が国家予算の多くを占めることになります。若年層の負担を大きくするだけではその支出に耐えられず、保険制度を維持できなくなる可能性も考えられます。「国民皆保険制度」は日本が誇るべき社会保障制度の一つです。国民の安定した暮らしを支える制度であり、その維持を考えなければいけません。こうした背景により、生活習慣病は日本にとって脅威として考えられているのです。

2:生活習慣病に対してこれから医師に求められること

生活習慣病のほとんどは急激に症状が現れるものではありません。肥満・高血圧・高血糖・脂質異常症で何らかの症状を自覚する人は稀なはずです。そのためなかなか気づきにくいというのか問題点です。生活習慣病が原因となり、がんや心疾患、脳血管疾患を発症するとその治療の場は、手術の設備や最先端の機器が揃っている総合病院になります。また、それ以前の生活習慣病の段階ならば、治療の場は町の診療所やクリニックとなることが多いでしょう。

これからの治療は「病診連携」が基本になります。急を要する症状がある疾病や外傷、治療例の少ない疾病などは総合病院など大きな病院が治療を担い、それよりも軽微で急を要さない疾病は診療所が治療の主役となります。

急性期の疾病になる前に、どれだけ生活習慣病を予防できるかが町の診療所に求められています。そのためには総合診療の知識と、適切な指導ができるコミュニケーション能力が必要になります。来院する患者さまに対して、健診結果を把握し適切な指導をしていく。信頼を得るとともに健康リスクを減らしていけるような医師がこれからは求められていくのです。

また、総合的な診療の知識を持つことは、開業をするときにもプラスとして働きます。開業において内科や外科、小児科、皮膚科など様々な分野の知識を持っていることで標榜できる診療科が多くなり、集患に大きく作用します。また高いコミュニケーション力を持つことで、新しい患者さまが来院しやすい雰囲気を作ることになり、継続的に通院するきっかけになります。特に子どもに対するコミュニケーション能力が高くなると両親からの信頼も厚くなり、家族全員で来院してくれることにつながるため、病院を経営する上でも大きなメリットとなるでしょう。

また近年、総合診療専門医という専門医領域ができたように、一つの領域について専門性が深いのではなく総合的な診療ができることにも価値が置かれるようになりました。専門性も医師にとって求められるものですが、総合的なことも求められています。医学生や若い医師は専門的な医師になりたいのか、総合診療を学び地域医療に貢献していきたいのか具体的にイメージしてみるとよいでしょう。

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