「スポーツドクター」とは?医師としてアスリートを支援する方法

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業界動向

公開日:2020.05.15
更新日:2021.03.04

「スポーツドクター」とは?医師としてアスリートを支援する方法

「スポーツドクター」とは?医師としてアスリートを支援する方法

運動が好きな医師のなかには、スポーツドクターとしてアスリートやスポーツ愛好家を支えたいと考える方もいるでしょう。また、運動療法やリハビリテーションなど、スポーツ医学の分野に興味をもつ方もいるのではないでしょうか。

アスリートだけではなく子どもから高齢者まで、健康維持に欠かせない「スポーツ」。今回はスポーツドクターの役割や仕事内容、必要な資格について詳しく解説します。

「スポーツドクター」とは?

スポーツドクターとは、アスリートやスポーツをする方々の診療や、けがの治療などを行う専門医師を指します。より良いパフォーマンスができるように、外科・内科の側面からだけでなく、時にはメンタル面からもサポートし、心身のコンディションを整えます。スポーツが好きで業界に貢献したいと考える医師に、おすすめの専門領域でしょう。

骨・関節・筋肉など運動器の治療を専門とする整形外科医がスポーツドクターの多くを占めているものの、ほかの診療科の医師も活躍しています。

「スポーツドクター」の仕事内容と求められるスキル

「スポーツドクター」の仕事内容と求められるスキル

スポーツドクターには具体的にどのような仕事内容があり、働くうえでどのようなスキルが求められるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

仕事内容

スポーツドクターの仕事は、アスリートの健康管理やケガの診断・治療・予防だけではありません。トレーニング内容や強度の確認、競技会の医事運営、ドーピング検査、スポーツ医学の研究・教育など、仕事内容は多岐にわたります。

チームドクターの場合は、遠征や大会に帯同することもあり、各選手のメンタルケアや栄養管理、ドーピング管理、感染症対策なども行います。

医療機関で診療を行うスポーツドクターの場合は、競技復帰を目的としたリハビリテーションメニューの処方を行うほか、部活動をする学生や高齢者などに向けて運動指導をしたり、障がい者のスポーツ支援をしたりすることもあります。

成長期の学生の部活動においては、オーバーユースによるスポーツ障害が問題になっており、スポーツドクターが保護者や学校、スポーツクラブなどに対して啓発活動を行うこともあります。

求められるスキル

内科・外科・精神科など、幅広い医学的知識をもつことはもちろんのこと、各競技の基本的なルールや特性、起こりやすいケガなどのリスクまで頭に入れておく必要があります。選手のパフォーマンス向上のために、栄養学や睡眠などの知識もあるとより良いでしょう。

チームドクターで遠征先が海外の場合は、渡航医学の知識や語学力もある程度求められます。現地で流行している感染症の情報収集や予防接種も欠かせません。また、一人ひとりの選手や指導者との信頼関係を築くにあたってコミュニケーション能力や人間性も重視されます。選手の健康はチームの勝敗に関わってくるため責任感をもちつつ、ドクターストップをくだす判断力も大切です。

女性アスリートの診療をする場合は、婦人科の知識も必須です。近年は、女性アスリートの無月経や骨粗しょう症、摂食障害などの問題も浮き彫りになっています。競技生活中だけではなく、引退後のライフプランも含めて総合的に考え、親身に向き合えるスポーツドクターの重要性は増していくでしょう。

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「スポーツドクター」になるために必要な資格と取得方法

「スポーツドクター」になるために必要な資格と取得方法

スポーツドクターになるためには、医師免許以外にも資格が必要です。ここでは、日本でスポーツドクターとして活動できる下記3つの資格とそれぞれの特徴・取得方法について解説します。

  • 日本スポーツ協会公認スポーツドクター
  • 日本整形外科学会認定スポーツ医
  • 日本医師会認定健康スポーツ医

  • 日本スポーツ協会公認スポーツドクター

    1982年度に日本体育協会(現:日本スポーツ協会)によって作られた資格です。アスリートの健康管理やケガの予防・診断・治療、競技能力向上のサポートなどを行います。そのほかに、競技会の医事運営やチームドクターとしての参加など、競技において重要な役割を担います。

    資格の取得方法

    医師免許を取得してから4年以上経っていることと、日本スポーツ協会あるいはその加盟団体・準加盟団体からの推薦が必要です。そのうえで、スポーツ医学に関する講習会を受講します。専門とする診療科は問われないため、整形外科以外の医師でも取得が可能です。資格更新は4年ごとに必要です。

    各加盟団体では、推薦の順番待ちが発生することもあるようです。日本スポーツ協会公認スポーツドクターは推薦が必要なぶん取得のハードルは高いものの、オリンピックなどの国際的な大会や著名チームの帯同ドクターとしてスポーツの現場で活躍したい場合は必須とも言える資格です。


    日本整形外科学会認定スポーツ医

    1986年に日本整形外科学会によって作られた資格です。整形外科の専門性を活かし、スポーツによるケガや障害の予防・診断・治療のほかに、早期スポーツ復帰のためのアスレチックリハビリテーションの指導などを行います。成長期の子どもから高齢者まで、スポーツに関することを幅広くサポートします。

    資格の取得方法

    整形外科専門医の資格を持つ医師が取得可能で、スポーツ医学の研修会を受講する必要があります。学会や講習会に参加し、5年ごとの資格更新となります。


    日本医師会認定健康スポーツ医

    1991年に日本医師会によって作られた、3つの資格のなかで最も新しい資格です。 スポーツ・運動を行う一般住民を対象に、医学的診療やメディカルチェック、運動指導や運動処方などを行うことで地域社会の健康維持・増進をサポートします。

    そのほかに、運動指導者への助言や自治体のスポーツ大会の救護活動なども行います。超高齢社会の現在、健康寿命延伸のためにも適切な運動指導ができる医師は重要な役割を担うでしょう。高齢者スポーツも近年益々盛り上がりを見せており、地域医療への貢献も期待できます。

    資格の取得方法

    医師であれば取得できる資格で、日本医師会や各地域の医師会が行う健康スポーツ医学講習会を受講修了する必要があります。5年ごとに資格更新となります。

    3つの資格のなかでも最も取りやすいため、日本医師会認定健康スポーツ医に加えてほかの資格を取得する医師もよくみられます。また、日本医師会認定健康スポーツ医を取得しておくと、ほか2つの資格を取る際に、一部講習会の受講が免除となるメリットもあります。若手医師であれば、初めに日本医師会認定健康スポーツ医を取得しておくこともおすすめです。

    アスリートから高齢者までサポートできるやりがい

    アスリートから高齢者までサポートできてやりがいあり

    スポーツドクターには幅広い知識が求められますが、陰で選手を支えるやりがいのある仕事です。アスリート以外にも一般にスポーツを楽しむ方々のサポートもできるため、老若男女を問わず多くの患者さまと関わり、貴重な経験を積むことができます。

    日本でスポーツドクターとなるには資格が必要なため、まずはどの資格が自分のやりたい仕事にマッチしているのか検討してみましょう。

    ドクタービジョン編集部

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