給与 公開日:2021.03.03

眼科医の平均年収は?他診療科との比較でわかる将来性

眼科医の平均年収は?他診療科との比較でわかる将来性

ヒトの五感のうち視覚を司る「目」。その「目」に生じたトラブルの原因を解明するために診察を行い、適切な治療を行うのが眼科医の役割です。この記事を読まれている方のなかには、「眼科に進もうか。それとも内科がいいだろうか......?」とほかの領域に進むか考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事では、眼科医の年収や業務内容、眼科医としての働き方、眼科診療のやりがいや魅力などについてご紹介します。

眼科医の平均年収は?

眼科医の平均年収は1,583万円。全診療科目の平均年収1,596万円(※)とほぼ変わらない金額です。同じ眼科でも、子どもの眼科診療を行う小児眼科は1,150万円で、眼科医および医師全体の平均年収よりも大幅に下がる結果となることがわかります。なお、眼科医の平均年収は地域差があります。最も高額なのは愛媛県、京都府、高知県、徳島県で1,950万円、福岡県が1,925万円で続きました。

眼科医が平均年収を上げるには、専門医や指導医などの資格取得以外にも、手術件数を増やす方法などがあります。手術には、高単価ながら比較的短時間で終わるものも。たとえば、レーシック専門クリニックでは勤務医でも年俸額が非常に高額になることもあるそうです。

※2020年10月時点のドクタービジョン掲載求人をもとに平均値を出しています

眼科医の業務内容

眼科医の業務内容

眼科医の業務内容は、眼科領域に関する診療と、目の健康を守るため様々な取り組みを行うことです。外界からの情報の大半は目から入るといわれています。目の健康が損なわれると、視力の低下、視野の狭窄、明暗の識別の低下が進み、日常生活に支障をきたします。人々の目が健康で正常に機能するよう、眼科医には適切な診療が求められるのです。

眼科診療では、眼球、眼球につらなる視神経、眼瞼や結膜をはじめとする眼球付属器を対象に検査を行い、鑑別診断の内容をもとに治療計画を考案します。点眼薬などを使用した薬物治療以外に、疾患によっては手術と術後管理を担当することも多く、腫瘍なら頭頸部外科や脳神経外科、糖尿病なら糖尿病内科など、疾患によっては他診療科と連携して診療する機会もあるでしょう。

白内障、緑内障、網膜症などの診断と治療、眼球及び周辺部位にできた腫瘍の診断以外にも、近視・遠視・老眼の検査、コンタクトレンズ作成に必要な検査や処方箋の作成なども実施しています。また、生まれつき、あるいは眼科疾患の影響による視覚障害がある方を対象にロービジョンケアについて紹介し、リハビリテーションや地域の福祉体制と連携をはかる機会も多くあります。

このように、眼科診療で扱うのは比較的限られた部位ではありますが、連携する診療科は多岐にわたるでしょう。

眼科医が活躍できる職場、眼科医の将来性とは

眼科医が活躍できる職場、眼科医の将来性とは

眼科医の働き方には、診療所やクリニックでの勤務、病院勤務、開業医として独立などの選択肢があります。ここでは、それぞれの働き方の特徴をご紹介します。

診療所やクリニックでの勤務

街中にある診療所やクリニックなど、外来診療を主とした医療機関への就職です。地域の「目のかかりつけ医」として活躍する医療機関が多く、結膜炎・ものもらい・花粉症など比較的よくみられる目のトラブル、緑内障や白内障の定期検診などが多いです。導入設備次第では、緑内障や白内障以外にもレーシックなどの日帰り手術を実施している施設もあります。

なお、眼科の手術はあらかじめ決定した手術日程に準じて進めることが多く、そのため、診療時間を大幅にオーバーするような働き方はあまり多くありません。

病院勤務

悪性腫瘍の手術や合併症を伴う症例など、診療所やクリニックでは対応が難しい患者さまの診療などを実施します。クリニックでは見られない症例の患者さまを診療するため、より多くの症例を経験したい方は市中病院勤務を候補に入れてみましょう。

なお、病院勤務というと夜間や土日の救急対応に駆り出されるイメージがありますが、眼科医は緊急手術と当直が少なく、診療所やクリニックと同様、ほぼ定時での勤務が可能です。

開業医として独立

医療機関で診療経験を積んだ後には、自ら開業し、医師兼経営者として活躍する道もあります。開業医になると、「目のかかりつけ医」として地域の患者さまを診察し、地域医療に貢献できるのもやりがいの一つでしょう。

眼科医の魅力は?

眼科医の魅力は?

数ある診療科のなかで、眼科医として働くことの魅力にはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは3つご紹介します。

ワークライフバランスを意識した働き方をしやすい

日本医師会男女共同参画委員会日本医師会女性医師支援センターのまとめた『女性医師の勤務環境の現況に関する調査報告書』を読むと、眼科医の勤務形態がみえてきます。

この資料によると女性医師を対象にアンケート調査したところ、常勤医として働く眼科医は81%、1週間あたりの労働時間が48時間以内に収まっている割合は72%、1ヵ月あたりの宿当直は40%、宿当直ならびにオンコールの状況も45%という結果でした。また、年間有給休暇取得状況について、年間5日以上取得できたとの回答が60%を超える結果となりました。

スペシャリティが求められる仕事でありながら、上記のように勤務形態がしっかりしていることから、眼科はワークライフバランスを充実させやすい診療科といえるでしょう。

近年は女性医師の活躍が目覚ましいといわれています。しかし、結婚や出産、家庭の都合など様々な事情で、キャリアを断念する女性医師も少なからずいるのが現状です。ワークライフバランスを取りやすい眼科は、ほかの診療科よりも比較的仕事とプライベートを両立しやすいため、キャリアパスを考えるうえで選択肢が広がるのではないでしょうか。

子どもから高齢者まで幅広い年代の診療ができる

眼科診療で扱う疾患は、新生児に多い先天性疾患から、加齢に伴い発症率が高まる疾患まで、実に幅広く存在します。

高齢化が進み、白内障・緑内障・加齢黄斑変性・糖尿病網膜症など視覚障害を招く可能性のある眼科疾患は増加傾向にあるといわれており、涙道疾患や眼窩・眼瞼疾患など、目の健康を損なう恐れのある眼科疾患も増加するとされています。高齢者を対象にした眼科診療を求める声は、今後も高まり続けるでしょう。

その一方で、新生児医療や小児医療に注力している医療機関やその近隣の病院で働くと、周辺地域からの紹介で乳幼児の診察が多くなります。また、パソコンやスマートフォンなどデジタル機器を日常的に使用することで、眼精疲労や視力低下を訴える患者さまの増加も考えられます。

このように、幅広い年代の患者さまに携わるのは、眼科診療ならではのやりがいといえるでしょう。

日々の診療と資格取得や研究を両立しやすい

将来のキャリアアップを考えたとき、専門医や指導医などの資格取得に向けた勉強や診療技術の修練は欠かせないものです。

先に触れたとおり、眼科はワークライフバランス形成を意識した働き方をしやすい診療科です。そのため、他診療科よりも資格取得の勉強や研究に必要な時間を確保しやすく、所属する医療機関によっては特定の症例件数を重ねやすい環境でもあります。そのためキャリアアップを計画的に進めたい方にとって、眼科の環境は望ましいものではないでしょうか。

専門性の高さとワークライフバランスを意識した働き方を目指すなら眼科を視野に

医学部生や研修医の方が診療科を決定する際、年収と働きやすさは非常に重要な要素になるといえるでしょう。また、眼科は他診療科からの転科が多いことでも知られています。

近年は女性医師をはじめワークライフバランスを意識される方も増えていますから、無理のない働き方をしようと眼科を選択される方も増えてくるかもしれません。超高齢社会において「必要とされる医師」になれる可能性も大いにあるでしょう。

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