「外科医として進むか、内科へ転科するか」自分の道は自分で切り拓く 消化器外科医・N.E先生(40代・男性)

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インタビュー 転職成功事例

公開日:2022.01.13

「外科医として進むか、内科へ転科するか」自分の道は自分で切り拓く 消化器外科医・N.E先生(40代・男性)

「外科医として進むか、内科へ転科するか」自分の道は自分で切り拓く 消化器外科医・N.E先生(40代・男性)

年収
1,100万円
雇用形態
常勤
診療科目
消化器外科
施設種別
大学医局の関連病院
職場環境
上席の医師の業務が終わるまで退勤できない。経営状態の不安定さと年収ダウンの可能性があることに不安を感じていた。
年収
1,600万円
雇用形態
常勤
診療科目
消化器外科
施設種別
ケアミックス病院
勤務形態
当直の日数は増えたが、ワークライフバランスを意識した働きやすい職場環境での就業が実現。

後悔しないキャリアを選択するにはどうすれば良いか。非常に難しい決断であると思います。特に外科であればキャリアチェンジを考える先生も多いでしょう。

そんな時は一人で悩まず、経験豊富なコンサルタントを良き相談相手として活用してみてはいかがでしょうか。今回は、40歳を目前にご自身のキャリアを再考し、転職に成功したE先生にお話を伺いました。

ワークライフバランスを見直して転職を決意

本日はよろしくお願いします。まず、先生のご経歴をお聞かせください。

中学時代から人の役に立つ仕事に就きたいと考え、医師を目指すようになりました。消化器外科を志望したのは、検査も手術も担当できる守備範囲の広い診療科であることに魅力を感じたからです。

医学部卒業後、大学病院で初期研修を経て、後期研修を5年で終えました。後期研修中は2年間出向しています。その後、大学病院で1年勤務し、医局派遣で外の医療機関に2年、そして再び大学病院へ1年戻り、次の出向先に5年勤務しました。その後、ドクタービジョンの転職支援サービスを利用して転職に成功し、現在に至ります。

転職を考えたきっかけは何だったのでしょうか。

ワークライフバランスを見直したことと、前職に対する不安が募ったことで退局と転職を考えるようになりました。

ワークライフバランスを見直すようになったきっかけは、同じく医師である妻と結婚し、子どもが生まれたことです。前職の大学病院には、上席の医師が退勤するまで年次の低い医師は帰れないという暗黙の了解がありました。そうした職場環境から、「もう少し早く帰れたら家事を分担できるし、家族と過ごす時間ももっと増やせるのに」と考えるようになり、次第に転職を意識しました。

実は、ワークライフバランスとの兼ね合いと、幅広く手術を経験したかったため、以前にも転職を考えたことがありました。当時は別の転職支援サービスに登録したのですが、納得のいく外科の求人案件が見つからず......。専門医などの資格を取得する前だったこともあり、もう少しスキルを磨こうと考えて転職活動を中断しました。

転職以外の選択肢を検討されることはなかったのですか。

関連病院への出向も選択肢の一つではありました。しかし、納得できる条件が揃っている先がなく、学位を取得したことで医局に所属し続けるメリットも以前ほど感じていませんでした。

むしろ、関連病院に行くと定期的に異動したり、年に1回は教授と面談したりすることが必要になります。医局関連の施設では自分が担当する患者さまでも主体的に手術を進められない印象もあったことから、退局して転職しようと考えました。

転職先を選ぶにあたって、どのような条件を重視されていたのでしょうか。

前職よりも年収が上がるか、時間を意識した働き方ができるか、の2点です。とくに後者については、もちろん急患や緊急手術があるときは全力を尽くしますが、それ以外はなるべく定時で帰ろうという雰囲気があるかどうかに着目していました。

ドクタービジョンで転職を決めた理由は、様々な情報を提供してもらえたこと

転職に際して気がかりなことがあったと聞いています。

転職後も外科であり続けるか、それとも内科に転向するか悩みました。というのも、外科は手術も含めチームで動くため、同じ医局に所属して術式の選択や進め方に対する考えが似通っているほうが、なにかとやりやすいからです。退局してほかの病院に転職しても、考え方の違いがあることで仕事がやりにくくなるのではないかと不安を感じ、内科領域への転科も検討していました。

外科医なら、いつメスを置くのか一度は考えたことがある方もいらっしゃるでしょうが、私の場合、40歳目前で挑戦した今回の転職がまさにそのタイミングだったんです。

ドクタービジョンのコンサルタントによるサポートはどのように役立ちましたか。

求人案件を幅広く紹介してもらえた点と、自分の希望を再確認するサポートをしてもらえた点が本当にありがたかったです。

当初は内科への転職も考えたのですが、これまで取得した専門医や指導医の資格が十分活かせる外科のほうが自分にとっても良いと考えました。

求人案件も、内科と外科、病院とクリニックなど、数多くの選択肢を提示してもらえました。一つずつ吟味していくうちに「消化器外科でもう少し頑張ろう」という気持ちが強くなりました。転職先を検討するさなかに自分の希望を再確認できたのは、重要だったと思います。

そうして紹介していただいた案件の一つが、年収や通勤しやすさなどの点で理想の条件に近い、現在の職場です。

転職に伴う退局はスムーズに進みましたか。差し支えない範囲でお聞かせください。

教授との面談時に話を切り出しました。退局の大変さやトラブルなどに関するインターネット上の書き込みも見ていたので、不安は少しありましたが、実際にはアクシデントもなくスムーズでした。

おそらくですが、退局を切り出した時期が良かったのだと思います。40歳に差し掛かり、前職の出向先で数年間勤務したタイミングで、病院の経営状態と職場に対して感じていることを説明したところ、教授にもご理解いただけたようでした。教授の退任が同年度に決まっていた点も、退局の意向がスムーズに通った要因だと思います。

転職がきっかけで新鮮な学びも得られるように

現在はケアミックス病院で消化器外科としてご活躍されていますね。現在の職場に対する率直な感想を教えてください。

医師としても、人としても刺激を得る機会が多いですね。現在の職場は主治医制を導入しているため、担当する医師の意見が診療に反映されやすいです。なので、考え方や術式の違いから来る齟齬は、転職前に心配していたほどではありません。

むしろ、同僚の医師の考え方や手技に接する機会は、良い刺激になります。医学部以外の学部や社会人を経験してから医師になった同僚も多く、尊敬している部分がたくさんあります。患者さまとのコミュニケーション方法など学びたい部分も出てきました。

転職開始前に重視していた年収とワークライフバランスも、おおむね納得しています。転職後は年収が増え、業務が終了次第、帰宅できる環境なので家族と過ごす時間も増えました。当直に入る頻度は前職より増えましたが、仕事のしやすさなども含めて総合的に考えれば許容の範囲です。

E先生にとってプラスの多い転職となったんですね。

そうですね。ケアミックス病院では、患者さまの状態と要望を考慮しながら今後のことを考えた治療をしていくので、提案できる選択肢も多いです。これは、この仕事ならではの面白さだと感じています。患者さまは地元の方が多いため、距離感も近く、小さなことをコツコツ積み上げていきたいという自分の性格にも合っていると思います。

転職を成功させるポイントは自分の希望をしっかり考えて伝えること

最後に転職活動を検討されている医師に向けて、メッセージをお願いします。

今後のキャリアとやりたいことについて、しっかり時間をかけて考え抜くのが大切だと思います。

転職を考えるに至る経緯と状況は人それぞれです。転職したいと思ったなら、しばらくはその職場で働くことを想定した上で、現職のどのような部分に対して不満を感じ、新天地に何を求めて転職したいのか、診療科を変えてもいいのかなど、自分の考えを明確にする必要があると感じました。

30代後半は年齢的にも重要な時期なので、このタイミングで転職活動をすると大幅なキャリア選択を迫られることもあります。キャリアを活かした転職をするか、それとも転職を機に転科して新たな挑戦をするか、考え抜いたほうが良いでしょう。

考えがまとまらなかったり判断に悩んだりしたら、コンサルタントを相談相手として活用することをおすすめします。フラットな立場からの意見をもらえることで、モヤモヤしていた考えがまとまると思います。

コンサルタント
コンサルタントからの一言

先生とはじめて電話でお話した際に、少し前よりご転職をお考えで、その中でも外科を続けていくのか、内科へのキャリアチェンジをするのか。大きなご決断を要することであると認識していました。


そのため、先生のご意向や可能性の全てを提案したうえで、先生ご自身が納得のいく決断をしていただけるように支援することを、心がけておりました。 結果的に縁のある地で外科医を継続されるという、先生の意向に沿えたご支援ができたのではないかと思っております。

どのような方でも、現状を大きく変えることには多大なパワーがかかるものです。それはご自身のみのことではなく、ご家族や周囲の方々を巻き込むからです。 中でもキャリアやライフプランに大きく関わる「転職」はその最たるものであるかと思いますが、転職の相談は気軽に周囲にできるものではありません。

だからこそ、ちょっとしたことでも客観的な観点で情報提供し、先生の大切なご決断を後押しする人が一人でもいることはとても重要なのではないかと思います。 どのような些細なことでも結構です。まずはご相談いただくことが、最終的に「ご納得のいく決断」をしていただく近道だと思います。

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ドクタービジョン編集部

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