2022年の税制改正により、住宅ローン控除の控除率は何%になった?

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公開日:2022.08.02

2022年の税制改正により、住宅ローン控除の控除率は何%になった?

2022年の税制改正により、住宅ローン控除の控除率は何%になった?

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    2022年の税制改正では、住宅ローン控除の控除率が1%から0.7%に引き下げられました。これは、低い金利で借り入れた住宅ローンの支払利息額より住宅ローン控除額の方が大きくなる状態、通称「逆ザヤ」を防止するためです。住宅ローン減税は、住宅ローンを借り入れて住宅を取得する人の金利負担を軽減することが本来の目的です。

    償還期間10年以上の住宅ローンで住宅を取得または増改築した場合などでは、年末の住宅ローン残高の0.7%が13年間※に渡り、所得税額から控除されます。所得税から控除しきれない場合は、翌年の住民税からも一部控除されます。控除率が引き下げられた一方で、控除期間を13年間とする特例措置が延長になったことは、メリットといえるでしょう。

    ※認定住宅・ZEH水準省エネ住宅・省エネ基準適合住宅に適合しない住宅に2024年以降入居する場合および既存住宅は10年間が控除期間

    自らが居住するための住宅であることが住宅ローン控除の適用要件のため、投資用マンションや土地のみ購入する場合は対象から外れます。住宅ローンを借り入れて2021年末までに入居している場合は、控除率1%のままであり、改正の影響を受けません

    今回の税制改正では、年間の合計所得金額においても「3,000万円以下」から「2,000万円以下」という条件に引き下げとなったことも注目すべき点です。これにより原則として、取得した自宅の床面積が50㎡以上あれば、合計所得金額2,000万円以下の年のみ本控除を適用できることになります。この引き下げの結果、医師を始めとした収入が高い人にとっては制度適用の条件が厳しくなったといえるでしょう。

    ただし、合計所得金額が1,000万円以下の年は、床面積40㎡以上50㎡未満(2023年末までに建築確認を受けたものに限る)に要件が緩和されます。

    重要POINT

    • ・住宅ローン控除の控除率は1%から0.7%に引き下げられた
    • ・認定住宅・ZEH水準省エネ住宅・省エネ基準適合住宅に適合しない新築・買取再販住宅および既存住宅に2022年以降入居する場合を除いて、控除期間が13年間になった
    • ・住宅ローン控除の所得要件は、3,000万円以下から2,000万円以下に引き下げられた
    • ・2021年末までに入居していれば控除率は1%のまま、改正の影響を受けない

    長沼 満美愛

    監修者:長沼 満美愛

    ファイナンシャルプランナーCFP(R)・1級FP技能士
    神戸女学院大学卒業後、損害保険会社に就職。積立・年金・介護など長期保険に特化した業務を担当。そのあと、FP協会相談室の相談員として従事。現在、大学・資格の学校TAC・オンスク.JPにて資格講座の講師として活動するかたわら、セミナー講師や執筆も手がける。『あてるFP技能士1級』(TAC出版)を執筆。毎日新聞「終活Q&A」・みずほ銀行WEBサイトコラム寄稿。毎日新聞生活の窓口相談員。塾講師・家庭教師の豊富な経験を活かして、「誰でも分かるセミナー講師」・「親身なFP個別相談」をめざす。

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