女性医師 キャリア 公開日:2022.09.07

女性医師の結婚事情!婚姻時期や出会いは?【現役女医が解説】

女性医師の結婚事情!婚姻時期や出会いは?【現役女医が解説】

社会で女性の活躍が期待される現代では、結婚して家庭をもちながら仕事と両立している女性医師も少なくありません。一方で、総務省統計局の『平成19年就業 構造基本調査 新職業分類(平成21年12月改定)特別集計 全国編』をもとに調査した『北海道医療大学看護福祉学部紀要』(2013年)によると、女性医師の未婚率が男性医師や他職種の女性より高いこともわかっています。

そこで今回は、女性医師である成田亜希子先生に女性医師の結婚するタイミングや出会いなどの結婚事情について解説していただきました。

ドクタービジョンでは女性医師の

女性医師の数の推移と婚姻状況

女性医師の数の推移と婚姻状況

現在、女性医師の数は年々増え続けています。景気の良し悪しに左右されにくい医師という職業は、男女問わず人気の職業と言えるでしょう。

とくに近年、医学部入学者の約3分の1は女性と言われており、厚生労働省の『医師・歯科医師・薬剤師調査』(2020年)によると、医師全体の22.8%は女性が占めています。なかでも、29歳以下は36.3%、30~39歳は31.2%が女性です。若い世代ほど女性の割合は大きく、年齢を重ねるに連れて減っていることがわかります。

女性医師は生涯未婚率が高い?

『北海道医療大学看護福祉学部紀要』(2013年)によると、20~59歳を対象に調査した未婚率が女性全体では32.0%であるのに対して、女性医師では47.9%と高いことが判明しています。また、男性医師の未婚率は14.6%であり、同じ職種であるにもかかわらず男女差が大きいこともわかりました。

とくに、20〜24歳の未婚率は女性全体で93.6%に対し、女性医師は100%25~29歳の未婚率は女性全体で72.2%、女性医師では91.2%といずれも未婚率は高い傾向にありました。これらの結果から、若い女性医師が結婚しにくい何らかの原因があり、未婚であることが伺えます。では、若い女性医師が未婚であるのにはどのような原因があるのでしょうか。

女性医師に多い結婚時期とその理由

女性医師に多い結婚時期とその理由

前述の調査では、女性医師の平均初婚年齢は34.9歳と推計されています。女性全体の平均初婚年齢は31.6歳のため、女性医師は医師以外の女性に比べ初婚年齢も高い傾向にあると言えるでしょう。

久留米大学病院で働く子育て中の女性医師を対象にした調査によると、医師としての「やる気スイッチ」は、医学部入学時点を基準にすると学年が上がるごとに上昇。その後、医師国家試験や初期臨床研修を終え、専門医を取得するまでは高いレベルをキープしています。女性医師の初婚年齢が高いのは、20代~30代前半の時期は医師としての研鑽を積むことに時間を割き、仕事が少し落ち着いた頃に結婚を意識する方が多いことが影響しているのでしょう。

女性医師は医学的な知識があるぶん、いわゆる"高齢出産"のリスクや育児の体力的な大変さなども理解しています。そのため、それまであまり結婚を意識していなかったものの、30歳になって「出産するなら少しでも若いうちに...」と結婚に踏み切る方も少なくないようです。

女性医師の結婚にはどんな出会いがある?

女性医師の結婚にはどんな出会いがある?

では、女性医師はどこでどのように出会った相手と結婚しているケースが多いのか見てみましょう。

同業者が圧倒的に多い

女性医師の結婚相手は男性医師であるケースが多いです。日本医師会男女共同参画委員会の『女性医師の勤務環境の現況に関する調査報告書』(2017)によると、女性医師の結婚相手の64.8%は男性医師であるとのこと。

一般的に医師の世界は狭く、同じ環境で長時間勤務することになるため、職場内で恋愛に発展することも多いでしょう。また、医学部時代の同級生とそのまま結婚に至るケースも多いようです。

女性医師は医師以外の女性と比べて学歴や収入などが高い傾向にあるため、男性から「敬遠」されがちな職種というイメージをおもちの方もいることでしょう。一方、近年では共働き志向の男性も多く、自身と同等の学力や収入がある相手と対等な生活を送りたいと考える方も増えています。そのため、同じ価値観をもち、お互いの仕事について苦楽を共有できる医師同士の結婚が多いのもうなずける結果でしょう。

学生時代のパートナー

女性医師の結婚相手の35.2%は医師ではない職種です。しかし、医師として働き始めると時間的な余裕がないため、医療機関外で男性と出会う機会を作るのは難しいという方も少なくないのではないでしょうか。

そうした人の場合は、比較的時間にゆとりがある学生時代に知り合った他学部や他大学などのパートナーと結婚しているケースが多いようです。

お見合いなど

前述の通り、女性医師は時間的余裕が作りづらく職場以外での出会いが少ないため、上司や親戚、友人などから紹介された男性と一定期間交際して結婚する方も多いです。いわゆる「お見合い」形式のものから街コンや婚活パーティなど気軽に参加できる場で出会いを得る方もいるようです。

結婚後の女性医師の就業率は?

結婚後の女性医師の就業率は?

結婚した女性医師は、家庭と仕事の両立が大きな課題となります。また、女性医師の結婚相手の多くは男性医師。若い男性医師は転勤も多く、家庭を優先するために退職を余儀なくされる女性医師も少なくありません

厚生労働省の『女性医師に関する現状と国における支援策について』によると、男性医師の就業率は25~55歳までは約90%を維持しているのに対し、女性医師は30~35歳にかけて就業率は76.0%まで低下。その後、50歳までは徐々に上昇してまた年齢とともに低下していきます。

妊娠・出産をきっかけに一時的に休職または時短勤務などで仕事に取り組み、子どもが保育園や小学校に上がるタイミングで復帰するケースが一般的でしょう。しかし、女性医師の就業率は育児が落ち着いてくる40歳以降も80%台であり、仕事を続けられずに復帰をあきらめる方も一定数いることがわかります。

女性医師が結婚後も仕事を続けるために

女性医師が結婚後も仕事を続けるために

女性医師が結婚して出産や育児に取り組みながらも医師としてのキャリアを積んでいくためには、「配偶者や家族の手助け」「職場の理解」「託児施設の確保」などが必要です。

結婚後は非常勤勤務やスポットバイトなどをしながら家庭生活に支障を来さない範囲の勤務をする方も多くいます。希望に合わせた勤務先を見つけやすいのは、医師のメリットと言えるでしょう。近年では、自宅で対応できるオンライン診療や健康相談などの求人も多くなっています。多様な働き方が可能になっているので、自身の理想とする働き方を実現するうえでどのような勤務形態が望ましいのかを考えてみましょう。

そのほか、緊急での呼び出しが少ない診療科を志望するのも一つの方法です。呼び出しが多い診療科を志望している場合は、女性医師への配慮がある職場を選びましょう。同時に、出産や育児への配慮を当然のこととして受け取らずに、限られた勤務のなかでもできるだけのパフォーマンスを発揮し、いずれ女性の後輩ができたときには、自身も率先して配慮ができる医師を目指しましょう。

女性医師は結婚などのライフプランをふまえたキャリアの見直しを

女性医師の未婚率は男性医師や他業種と比較すると高い傾向にあり、結婚をせずキャリアを積んでいく方も多いのが現状です。しかし、近年では女性医師の割合が増え、若手医師の30%以上は女性が占めます。こうした状況のなかで、女性医師にとって結婚と結婚後のキャリアは大きな課題の一つと言えます。

女性医師の結婚相手は男性医師が圧倒的に多い一方、学生時代のパートナーや知人などの紹介から結婚に至るケースも少なくありません。初婚年齢は35歳前後であり、医師としてのキャリアに目途が立ってから結婚に踏み切る方が多いようです。

結婚後は、妊娠・出産をきっかけに一時的に休職する女性医師が多い傾向にありますが、その後、周囲の理解を得て復職する方もいます。将来的に結婚を考えている方や結婚したばかりの方は、自身がどのような働き方をしていきたいのかをよく考えて、キャリアを形成していきましょう

成田亜希子先生の写真

執筆者:成田 亜希子

2011年医師免許取得。一般内科医として幅広い疾患の診療を行ってきた。自身は二児の母。育児中は医療行政に関わり、国立保健医療科学院や公益財団法人結核予防会の結核研究所で感染症対策などを含めた公衆衛生分野の研鑽に励んだ。

現在は、医師である夫の研究留学に帯同のためアメリカ在住。日本のクリニックと連携し、オンライン診療部門の立ち上げと改革に邁進している。

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