相続時精算課税制度を利用して子どものマンション購入を援助する場合、特別控除として差し引ける金額はいくらまで?

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公開日:2022.10.18

相続時精算課税制度を利用して子どものマンション購入を援助する場合、特別控除として差し引ける金額はいくらまで?

相続時精算課税制度を利用して子どものマンション購入を援助する場合、特別控除として差し引ける金額はいくらまで?

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    子どものマンション購入の資金援助をするために、贈与税の非課税制度を利用したいと考える医師家庭もあるでしょう。贈与税の課税方法には、「暦年課税」と「相続時精算課税」の2種類がありますが、今回は「相続時精算課税」の利用を検討します。

    「相続時精算課税」は、原則60歳以上(※1)の父母や祖父母から18歳以上(※1)の子や孫に財産を贈与する場合に選択できる課税方法です。

    贈与財産の種類や金額、回数などに制限はなく、複数年にわたって贈与した財産価額の合計が2,500万円になるまで贈与税が課されません。また、住宅取得資金を贈与する場合は、特例により、贈与者の年齢要件がなくなるため、60歳未満でも本制度を利用できます
    ※1...贈与年の1月1日時点

    しかし、2,500万円を超過すると、超過分に一律20%を乗じて贈与税が課されます。また、「相続時精算課税」を一度選択すると、贈与者が亡くなるまで「暦年課税(※2)」に変更できないことも心得ておきましょう。

    ※2...年間110万円までの贈与が非課税になる制度


    なお、相続時精算課税制度による特別控除額2,500万円に加えて、「直系尊属から住宅取得資金の贈与を受けた場合の非課税の特例(※3)」も併用して利用できます。

    ※3...省エネ等住宅は1,000万円、その他住宅は500万円までの住宅取得資金の贈与が非課税になる制度



    重要POINT

    • ・相続時精算課税制度を選択した場合、2,500万円まで贈与税が非課税になる
    • ・相続時精算課税を利用して住宅取得資金を贈与する場合は、年齢要件がなく、60歳未満でも贈与可能
    • ・2,500万円を超過すると、超過分に一律20%を乗じて贈与税が課される
    • ・「相続時精算課税」を一度選択すると、贈与者が亡くなるまで「暦年課税」に変更できない

    長沼 満美愛

    監修者:長沼 満美愛

    ファイナンシャルプランナーCFP(R)・1級FP技能士

    神戸女学院大学卒業後、損害保険会社に就職。積立・年金・介護など長期保険に特化した業務を担当。そのあと、FP協会相談室の相談員として従事。現在、大学・資格の学校TAC・オンスク.JPにて資格講座の講師として活動するかたわら、セミナー講師や執筆も手がける。『あてるFP技能士1級』(TAC出版)を執筆。毎日新聞「終活Q&A」・みずほ銀行WEBサイトコラム寄稿。毎日新聞生活の窓口相談員。塾講師・家庭教師の豊富な経験を活かして、「誰でも分かるセミナー講師」・「親身なFP個別相談」をめざす。

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