患者さまの「心(こころ)・身(み)」を診つつ社会貢献を目指す「試み」を【医療法人社団こころみ】

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インタビュー 医療機関

公開日:2021.06.07

患者さまの「心(こころ)・身(み)」を診つつ社会貢献を目指す「試み」を【医療法人社団こころみ】

患者さまの「心(こころ)・身(み)」を診つつ社会貢献を目指す「試み」を【医療法人社団こころみ】

神奈川県川崎市で内科・精神科のクリニックを展開する医療法人社団こころみ。患者さまの「こころとからだのトータルサポート」をしながら、新たな価値の創造と社会貢献を目指す試みを行っているクリニックです。2020年12月には新たなうつ病の治療法「rTMS治療」の専門クリニックを開設し、本治療の普及にも力を入れています。

今回は医療法人社団こころみの特徴や今後のビジョンなどについて、同法人の代表医師・大澤亮太先生にお話を伺いました。

大澤亮太先生の写真

医療法人社団こころみ 大澤亮太先生(元住吉こころみクリニック代表医師)

開成高校卒業後に一橋大学経済学部を経て、山梨大学医学部へ入学。卒業後は産業医を目指し神奈川県内のメンタルクリニックに勤務しながら、中央省庁や民間企業などの嘱託産業医として経験を積む。平成29年4月、元住吉こころみクリニックを開設。

患者さんに「ひと安心」してもらえるクリニックを目指して

患者さんに「ひと安心」してもらえるクリニックを目指して

法人名やクリニック名にもなっている「こころみ」という言葉について思いが込められていると伺っていますが、その言葉に込められた思いや意味についてまずは教えてください。

こころみは、「試み」と「こころ(心)・身(み)」という2つの言葉が由来となっています。前者については、法人全体として、新しいことにチャレンジしたい気持ちを込めています。クリニックの経営について、やみくもに事業展開をして利益をあげたいとは考えていません。それよりも、社会的課題を解決できるようにスタッフ全員で取り組んでいきたいと思っています。

後者は、「こころとからだをトータルで支える医療を目指す」という思いを込めています

チャレンジと「こころとからだ」の両方を診るという2つの意味が込められているんですね。そのほかに、貴院で大切にしていることはありますか?

スタッフのみなさんに常に伝えているのは「患者さま、医療従事者、社会を『ひと安心』していただけるような振る舞いをしてほしい」ということですね。医療はどうしても属人的になってしまう部分があるので、だからこそ、スタッフには「この人だから信頼して任せられる」と思ってもらえる存在になってほしいと思っています。

「こころとからだのトータルサポート」で患者さんの全身を診る場所に

「こころとからだのトータルサポート」で患者さんの全身を診る場所に

先ほどお話しされた「こころみ」の由来にもなっている「こころとからだのトータルサポート」について、貴院での取り組みを詳しく教えてください。

当院では内科領域と精神科領域の両軸で、患者さまの心と体の双方を支えられる医療を提供しています。たとえば内科で「この患者さんはメンタルの要素が強い」と担当医が判断すれば、クリニック内でスムーズに精神科へ紹介することが可能です。

内科と精神科、それぞれの専門家が異なる視点を持って同じクリニックで診療を行うスタイルは、ほかのクリニックではあまりやっていないと思います。その点は当院の価値だと感じています

精神科領域を含め、患者さまの全身を診られる点は貴院の大きな特長なんですね。医師や患者さま双方にメリットがありそうです。そのほか、貴院の特長はありますか?

当法人は「元住吉こころみクリニック」「武蔵小杉こころみクリニック」「東京横浜TMSクリニック」の3つのクリニックを運営しており、それぞれ特長が違います。

元住吉こころみクリニックは、「こころとからだをトータルでサポートする」をコンセプトに、クリニック内で連携をしつつ診療を行っています。武蔵小杉こころみクリニックは「心の医療の充実」を、東京横浜TMSクリニックはクリニック名にもあるように、「rTMS治療(反復経路頭蓋磁気刺激療法)という新たな治療選択肢を」というコンセプトで医療を提供しています

各クリニックで役割をわけているんですね。

はい。特にrTMS治療は日本では保険適応されてから日が浅く、海外での最先端の治療は自費診療でしか行うことができません。このため、うつ病の治療としてまだまだ標準的な選択肢ではありません。当院ではうつ病治療の新たな選択肢として、医師や患者さまなどに安心・信頼してもらえるようなrTMS治療を提供し、普及させていきたいと考えています

貴院ではどのような設備を導入していますか?

精神科領域については、先ほどのrTMS治療の機械の導入も拡大していく予定です。内科領域では、最近では新型コロナウイルスワクチン用のディープフリーザーを導入しました。内科は地域貢献が大切だと考えているので、地域住民のみなさまの健康に寄与できることであれば率先して私たちがやっていきたいですね。

二交代制や両院の予約一本化で効率的な診療と働きやすさを実現

二交代制や両院の予約一本化で効率的な診療と働きやすさを実現

貴院での働き方について教えてください。

シフトは早番・遅番の二交代制です。元住吉と武蔵小杉の2院はクリニック同士が近いので、精神科については予約を一本化して効率的に診療できるようにしています。

タスクシフトを少しずつ進めていて、医師の負担軽減を意識しています。待遇面でもインセンティブを導入して、貢献をしっかりと還元するよう心がけています。

院長クラス(理事)の先生には、退職金規定を用意しています。開業時と近い水準での経済的なメリットをご用意することで、開業リスクをとらなくても、優秀な先生に責任感をもって長く働いていただけるように心がけています

医師の働き方は何かと多忙ですから、きちんと無理のない働き方ができる体制になっているのは質の高い医療の提供にもつながりそうですね。職場の雰囲気はどうですか?

雰囲気はいいですね。採用時は誠実さを重視しているので、優しい人が多いと思います。

雰囲気をよくするために取り組んでいることはありますか?

褒める文化をつくっています。たとえば、スタッフには、患者さまにありがとうと言ってもらうためにはどうすればいいのか、考えながら取り組んでもらっています。

医療従事者も人ですから、嫌なことを言われてばかりだとつらいですよね。だから、患者さまに感謝してもらえるように、そしてこちらも感謝の気持ちが伝わるように接していきたいと考えています。

また、働き方では今期の課題として、評価制度や昇給、キャリアプランの形成といった人事体制、教育研修や福利厚生などを整備して、帰属意識をもって働いていただける組織基盤を作っていくことに取り組んでいます

入職して間もない医師へのサポートはありますか?

最初は、カルテの補助ができるスタッフが付きます。内科と精神科のマニュアルをお渡しするので、先生はそれを見ながら患者さまを診ていただきます。優しい先生が多いので、わからないことがあれば気軽に相談もできる環境です。

また、院外の各機関への連携はソーシャルワーカーが対応しているので、目の前の診療に集中していただけます。

求めるのは誠実さ。一緒に「新しい価値をつくる」クリニックへ

求めるのは誠実さ。一緒に「新しい価値をつくる」クリニックへ

大澤先生は、どんな医師と一緒に働きたいですか?

誠実な人です。もちろん技能・技術も大事ですが、クリニックを続けていくうちに医療は倫理観とのバランスが重要だと感じることが増えてきました。患者さまにはもちろん、ほかの医師やスタッフにも誠実な態度で、真摯に向き合える人と一緒に働けたら嬉しいです

最後に、この記事を読んでいる医師にメッセージをお願いします。

医師にはさまざまなキャリアがあって、開業も選択肢のひとつ。実際、この記事を読んでくださっている人にも開業を目指している医師もいると思います。

自分自身、実際に開業して痛感していますが、開業にはリスクが伴いますし個人でできる範囲も限られてきます。医師一人ではできないスケールのことでも、「こころみ」という組織ならばできることもあります。

もちろん、一緒に働く中でいずれは開業を希望されるのでしたら成功していただきたいですし、当法人のノウハウを生かしていただきたいと思っています。

同じ方向性を持っていただける先生には、私たちと新しい価値を一緒につくりながら、その果実をしっかりと還元したいと考えています。ホームページをお読みいただければ、当法人の理念の一端が伝わると思います。ぜひ気軽にお声かけください。

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