給与 公開日:2021.04.28

小児科医の平均年収は?開業医との違いや仕事内容を解説

小児科医の平均年収は?開業医との違いや仕事内容を解説

小児科は、乳児が大人になるまでの間、心や体を健康に育てるための診療科です。小児科医は、子どもを診るだけでなく、病気や心身の状態にあわせた養育方法を一緒に考えていくことが求められます。

今回は、小児科医の平均年収や求められるスキルなどを解説します。また、働き方によっての違いなども併せてご紹介いたしますので、ぜひ参考にしてください。

小児科医の年収分布

小児科医の年収分布

医師の平均年収は他の職種と比較して高額な傾向にあります。もちろん、所属する医療機関、働き方、年齢、役職、専門医や指導医など身につけているスキルなどで、多少の変動があります。これは小児科も例外ではありません。

小児科の年収分布については、独立行政法人労働政策研究・研修機構『勤務医の就労実態と意識に関する調査』の、主たる勤務先の年収額をまとめた資料が参考になります。年収300万円未満は2.4%、500万円未満は7.7%、700万円未満は5.9%、1,000万円未満は14.8%、1,500万円未満は33.1%、2,000万円未満は28.4%、2,000万円以上は7.7%です

勤務形態に関するアンケートの結果は、常勤が89.8%、非常勤が8.3%、アルバイトが2%でした。ここから、小児科医内でも年収額に差があることがわかります。小児科医の業務内容は、勤務形態によって左右されます。勤務形態の特徴については後半でご紹介します。

厚生労働省が公表した『医師・歯科医師・薬剤師統計の概況』によると、2018年末時点で小児科医として働く全国の医師の数は17,321人。全国の医療施設に勤務する医師の総数が311,963人ですので、全体の5.6%を占める計算です。実はこの数値は、全診療科のうち3番目に高いものです。内科は全体の約20%を占めていてダントツに高く、2番目は整形外科の7%、臨床研修医は小児科と同じく5.6%でした。

小児科の特徴として、女性医師が占める割合が高いことが挙げられます。病院に勤務する小児科医は10,614人。このなかで、女性医師は36.4%を占めています。診療所は6,707人のうち33.1%が女性医師で少し下がります。いずれにしても、小児科医が3人集まれば、そのうち1人が女性医師といえるでしょう。なお、ほかに女性医師が多い診療科は、眼科、皮膚科、産婦人科、精神科、麻酔科、耳鼻咽喉科です。一般的に、女性医師が多い診療科は、出産や子育てなどによる休暇にも比較的理解があることが多いといわれています。

診療科別の平均年収比較

小児科全体の平均年収は1,582万円です(※)。全診療科の平均年収は1,596万円なので、ほぼ変わりないといえるでしょう。しかし、同じ小児科でも特定の診療領域に特化した場合はやや異なってきます。

小児外科は1,617万円、小児科(新生児)1,375万円、小児眼科・小児耳鼻いんこう科・小児泌尿器科・小児皮膚科はすべて1,150万円になります。小児科全体の平均年収額を上回るのは小児外科のみで、残りは平均値以下の結果になりました。

※2020年10月時点のドクタービジョン掲載求人をもとに平均値を出しています

働き方による仕事内容の違い

働き方による仕事内容の違い</p

常勤の場合

病院やクリニックなどの医療機関に勤務するときの働き方として、まず常勤があります。小児科を標榜している医療機関は多いのですが、慢性的な人手不足に悩む現場がほとんどです。

病院で常勤として働く場合の忙しさは、入院病床数と日当直対応の有無に左右されます。入院病床数が多ければ、受け持つ入院患者数も増えます。もともと地域のクリニックなどから重症例の子どもが紹介されてくるため診療の難易度が高く、検査入院、手術をする前の事前入院、救急搬送されてきた子どもがそのまま入院するケースもあり、それぞれにあわせた対応が必要です。

とくに病院勤務を希望している場合、夜間や休日の救急対応の有無が気になるでしょう。『勤務医の就労実態と意識に関する調査』にある、主たる勤務先における1ヵ月間の日直(祝休日などの日中に勤務)と宿直(夜間に出勤して有事の際に対応)が必要とされている割合を見ると、日直は73.6%、宿直は21%でした。東京23区や政令指定都市以外の地域で過疎地域にある病院ほど割合は高まります

宿直は救急対応がなければ仮眠をとれますが、実際のところそううまくはいかないようです。一度の宿直で診療した患者数に関するアンケートに対して、ほとんど診療していないと回答したのは7.5%。1〜4名は30.6%、5〜9名は28.6%、10名以上に至っては33.3%です。関連して、宿直一回あたりの睡眠時間についても、ほとんど睡眠できなかったのは2.7%、2時間未満が9.5%、2〜3時間が17%です。

入院病床を有していて日当直対応も求められる病院に勤務する場合は、過酷な労働環境であることを覚悟していたほうが良さそうです。

なお、クリニックなど入院設備のない医療機関や、救急車を受け入れない先で勤務する場合は、診療時間中は忙しいものの病院勤務よりは業務量が少ないことから、プライベートの時間が確保されやすい傾向です。ただし、そのぶん給与も低い可能性があることも理解しておきましょう。

非常勤の場合

非常勤ついては、何かしらの事情によって時短勤務をしている方も含めてご説明します。

医師が非常勤を選択する要因としては、妊娠や出産後の子育てがあります。ワークライフバランスを考えて、家庭のこともしつつ働きたいと考えた結果、まずは病棟管理や救急対応を求められない非常勤を選択する女性医師は少なくありません。とくに小児科は女性医師の比率が高いことから、妊娠・出産がきっかけでそれまでの働き方を見直し、非常勤として働くことを選択しやすい環境にあるのです。

小児科の非常勤医ですが、実は病院側としても非常にニーズがあります。時短勤務でも外来を担当してもらうことができますし、勤務時間帯も医療機関によってはある程度交渉することが可能です。状況次第では、子どもが成長して手がかからなくなったら常勤へのスイッチも打診できます。将来常勤として働きたい方なら、非常勤として慣れた職場でさらに働くことができるので、お互いにメリットのある選択肢です。

非常勤として働く場合、病院では外来診療を任されることが多いです。クリニックでは、一般診療以外にも、乳幼児健診や予防接種の実施などがあります。一日あたりの外来数は、風邪やインフルエンザなどが流行する時期は混み合うことがあります。医療機関の規模などによってもかなり変わってきますが、基本的には勤務時間内で業務を終えられるので、プライベートの時間をしっかり確保できるでしょう。

開業医の場合

開業医となって自身でクリニックを開設する選択肢もあります。医師かつ経営者として働くことになるため、業務内容も増えるのが特徴です。

医師としての業務は、外来診療全般、乳幼児健診、予防接種などがあります。診療以外にも、近隣の学校や幼稚園の集団検診を担当することもしばしば。業務は多岐に渡りますが、診療に関する責任はすべて自身で負うことになります。難しい症例や珍しい症例には、自力で調べての対応も求められますので、知識や技術のブラッシュアップも必要です。

経営者としては、開院前の準備はもちろん、開院後も医院を円滑に回していくために、看護師や受付・医療事務員など人材確保、製薬メーカーや機器メーカー担当者との交渉、経営スキルの習得が求められます

このように様々なスキルや経営能力が求められる開業医ですが、常勤もしくは非常勤として医療機関に所属するよりも、年収はより高額になるでしょう。

5年後、10年後の働き方を見据えたキャリアプランを

5年後、10年後の働き方を見据えたキャリアプランを</p

小児科医は、特定の臓器に限定されることなく、子どもの全身を診療します。そのため、小児科医として独り立ちできるようになるまでには、診療経験と幅広い知識が求められます。

小児科して働きたい方は、小児科になってから5年後、10年後の働き方を見据えたキャリアプランを考えながら職場を選ぶようにしましょう。

【常勤】高給与特集はこちら 【非常勤】高給与特集はこちら