研修医/専攻医の初任給・平均年収はいくら?給料に関するよくある質問にも回答

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公開日:2023.05.10
更新日:2023.12.15

研修医/専攻医の初任給・平均年収はいくら?給料に関するよくある質問にも回答

研修医/専攻医の初任給・平均年収はいくら?給料に関するよくある質問にも回答

自分が勤めている病院の給料が、ほかと比べて高いのか低いのか気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。臨床研修や専門研修はスキルを習得するための期間とはいえ、収入面も気になるポイント。この記事では研修医・専攻医の平均給料(年次別、都道府県別など)や待遇について詳しく解説します。

研修医・専攻医の平均年収はいくら?

研修医(初期研修医)の平均年収は約450万円専攻医(後期研修医)は約700万円です。一方で、一般企業に勤める20代の平均年収は330~400万円程度。研修医や専攻医の給料は、一般企業に勤める人に比べて高いことがわかります。

医師 一般企業
研修医:450万円程度 20~24歳(平均):330万円程度
専攻医:700万円程度 25~29歳(平均):400万円程度

※あくまでおおよその値です。
※研修医については、厚生労働省「臨床病院における研修医の処遇」臨床研修医の推定年収➀の1年次と2年次の額からおおよその推定値を算出しています。専攻医、一般企業については、厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」より、おおよその年収を算出しました。

なぜ一部で「研修医の給料が低い」イメージがあるの?

前述のような事実に反して「研修医の給料は低い」というイメージを持つ人もいるようです。そのように思われる大きな理由は、一般的な医師の年収に対するイメージと、研修医1年目の年収にギャップがあることだと考えられます。医師には「年収1,000万円を超える職種」というイメージがあり、そのイメージとの乖離が「研修医の給料が低い」という印象に繋がる場合があるようです。

また、医師になるためには多額の学費や労力が必要で、研修医時代の給料がそのコストに見合わないと考える人もいるかもしれません。研修医として働く間も多忙であったり、高い専門性が求められたりすることからも、割に合わないと感じてしまうことがあると言えるでしょう。

研修医の給料【具体的に解説】

研修医の平均年収は、年次や都道府県、勤務先によっても違いがあります。ここでは、研修医の給料について項目別に解説します。

研修医の初任給

研修医の年収について、厚生労働省が2011年度に実施した詳細な調査結果があります。それによると、研修医1年次の平均年収は約435万円です。月の基本給に換算すると、20万円程度基本給については後述)。大学病院よりも市中の臨床研修病院の方が高額な場合が多く(後述)、初任給が30万円程度のところもあります。

当時の大卒者全職種の、社会人1年目の平均年収は200万円程度ですから、研修医の初任給は一般と比較して高い傾向があると言えるでしょう。しかし、あくまで平均値のため、これを下回る待遇の病院もあります。厚生労働省は、研修医1年次の平均年収の範囲を180~950万円程度と報告しており、ある程度の幅があることがわかります。

【年次別】研修医の平均年収の分布

厚生労働省平成23年度臨床研修医の推計年収

厚生労働省 医師臨床研修制度の評価に関するワーキンググループ(第3回)資料「臨床研修病院における研修医の処遇」(平成23年)p.2より
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001vj46-att/2r9852000001vj7i.pdf
平均年収
研修1年次 約435万円
研修2年次 約481万円

研修医の平均年収は1年次が約435万円、2年次が約481万円です。概ね320万円から720万円の範囲内の場合が多いですが、1,000万円前後にのぼる研修病院もあります。

ただ、平均年収が320万円以下の研修病院もあります。最低額は1年次・2年次ともに約184万円ですが、割合としてはごくわずかです。

【都道府県別】研修医の平均年収の分布

厚生労働省平成23年度臨床研修医の都道府県別平均推計年収

厚生労働省 医師臨床研修制度の評価に関するワーキンググループ(第3回)資料「臨床研修病院における研修医の処遇」(平成23年)p.3より
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001vj46-att/2r9852000001vj7i.pdf

都道府県別に研修医の平均年収を比較すると、西日本に比べて東日本の方が、研修医の年収が高い傾向にあります。

また、都市部よりも地方の方が、研修医の平均年収が高いと言えます。具体的には、東京都、神奈川県、千葉県、大阪府などは低く、秋田県、青森県、山形県などは高くなっています。

【勤務先別】研修医の平均年収

大学病院や市中病院などの研修先によっても研修医の平均年収は異なります。

大学病院 臨床研修病院(※)
研修1年次 約307万円 約451万円
研修2年次 約312万円 約502万円
※臨床研修病院は、大学病院以外の臨床研修実施施設を指します。

1年次・2年次いずれの場合でも、大学病院よりも臨床研修病院の方が給料は高い傾向にあります。

大学病院には社会インフラとしての側面もあり、営利を第一目的としていない場合も多いです。そのため、人件費にかけられる予算の割合が少ないことが理由として挙げられます。

研修医の給与例

具体的に研修医の給与例をいくつかご紹介します。基本給以外に支給される手当の種類やボーナスの有無などで、給与額が変わります。

【case.1】
基本給 250,000円
各種手当 研修手当・宿日直手当・時間外手当・通勤手当
ボーナス なし
【case.2】
基本給 1年次:252,000円
2年次:262,500円
各種手当 時間外手当・住宅手当
ボーナス あり
【case.3】
基本給 320,000円
各種手当 時間外手当・診療夜間看護師等手当
ボーナス なし

専攻医の給料【具体的に解説】

では、専攻医の給料はどのくらいなのでしょうか。平均年収は約696万円です。

研修医と比較して、平均年収がかなり上がっていることがわかります。専攻医は研修医と比べて、より専門性が高い業務に従事する機会が多くなることも理由の一つです。

こちらの金額には29歳以上の専攻医の年収は含まれないため、実際の数値とは異なりますが、目安として参考にしてください。

▼参考資料
令和4年賃金構造基本統計調査|厚生労働省

25~29歳の医師のデータからおおよその年収を算出(「きまって支給する現金給与額」×12+「年間賞与その他特別給与額」)

▼専攻医1年目の年収について詳しくはコチラ
医師3年目(後期研修医1年目)の年収は?

専攻医の給与例

専攻医の給与例をいくつか見てみましょう。勤務先により金額の差はあるものの、研修医の基本給から大きく上がっていることがわかります。

【case.1】
基本給 1年次:660,000円
2年次:770,000円
3年次:880,000円
4年次:880,000円
各種手当 当直手当・時間外手当
ボーナス なし
【case.2】
基本給 1年次:444,500円
2年次:480,300円
3年次:525,800円
4年次:580,100円
各種手当 当直手当・時間外手当
ボーナス なし
【case.3】
基本給 1年次:666,000円
2年次:750,000円
3年次:833,000円
各種手当 当直手当・時間外手当
ボーナス なし

研修医・専攻医の給料の内訳

給料は基本給に各種手当(時間外手当、当直手当、深夜勤務手当、通勤手当、家族手当、役職手当など)を加えた総額です。そこから所得税や社会保険料などが控除された金額が手取りに。研修医2年目以降は住民税も控除されます。

ここでは基本給、当直手当、ボーナスについて解説します。

基本給

基本給とは、各種手当等を含まない、基本賃金のことです。一定期間働くと、決まった金額が支払われます。実際に受け取る金額は、基本給に手当等を加えたものから、税金や社会保険料を差し引いた額です。

当直手当

当直手当とは、当直勤務に対して支払われる手当。労働基準法で最低賃金が定められており、基本賃金の1/3以上の支払いが義務付けられています。実際に受け取る金額は勤務先によって異なります。

ボーナス

ボーナスとは、毎月支払われる定期給与とは別に、労働の対価として支払われる給与のことで、賞与や特別手当と呼ばれることもあります。支払いは年2回か1回が一般的。ボーナスの有無は研修先によって異なりますが、多くの医療機関で支給されています。

研修医・専攻医のアルバイト事情

白衣の医者たちは三人で横に並び前を見つめている

研修医は、診療のアルバイトが認められていません。研修に専念する義務があり、医師法や臨床研修に関する省令の規定により禁止されています。

専攻医になれば診療のアルバイトをすることは可能ですが、研修先の医療機関によってはアルバイトが禁止されていたり、アルバイトできるコマ数が決められていたりすることがあります。

アルバイトをする目的は、奨学金の返済といった金銭的理由であったり、臨床経験を積むためであったりと、人によってさまざまです。

研修医・専攻医の給料に関するQ&A

ここまで研修医の給料について解説してきました。以下では、研修医の給料に関するよくある質問にお答えしていきます。

Q:研修医・専攻医の仕事内容は?

A:基本的に、指導医のもとで患者さまの診療にあたります

基本的には一般的な医師と同じように、患者さまの診療や処置といった業務を行います。ただ、指導医のもとで診療にあたるため、重要な判断を研修医自身のみで下す機会は少ないです。指導医と相談しながら患者さまの診療にあたり、医師としてのキャリアを積んでいきます。

研修医

研修医は1~数カ月単位で内科、外科、産婦人科、小児科などさまざまな科をローテートします。

まだまだ臨床経験が乏しいため、指導医の下で患者さまを診療し、簡単な処置や手術の助手の経験を積む形です。また、診療科によっては外来での診察もありますが、自分だけで判断せず、必ず指導医に報告し一緒に診療を行います。

専攻医

日本専門医機構が定める医療機関の専門研修プログラムを受けるのが専攻医。自身の専門領域を決め、一般に2年間の臨床研修が終わったあとに専攻医に移行します。以前は「後期研修医」と呼ばれていましたが、2018年から導入された新専門医制度により「専攻医」と呼ばれるようになりました。

専攻医は、研修医と比較すると業務範囲が広がります。また、自分で判断しなければならないことが増え、勤務先や専攻科にもよりますが手術での対応もより責任の大きな業務を任されるように。具体的な業務内容は専攻する科によって異なります。

Q:研修医・専攻医はアルバイトしてもいい?

A:専攻医は可能な場合も。研修医には認められていません

研修医は研修に専念する義務があり、指導医のもとでしか診療を行うことができないため、診療に関するアルバイトはできません。

専攻医になると、診療のアルバイトをすることは可能になります。ただし、研修先の医療機関でアルバイトなどの副業が禁止されている場合もあるため、必ず研修先に確認するようにしましょう

また、アルバイト以外で収入を上げる方法として、株式投資や不動産投資などがあります。投資について興味がある方は、メリットやリスクについて十分に理解してから始めましょう。

Q:大学病院と臨床研修病院の待遇の違いは?

A:給料を含め、大学病院より臨床研修病院の方が待遇は良い傾向にあります。

給料だけに注目すると、臨床研修病院の方が待遇は良い傾向に。しかし宿舎や住宅手当、当直回数を含めた総合的な待遇についてはどのくらい差があるのでしょうか。以下で解説していきます。

研修医宿舎の数

厚生労働省平成23年度臨床研修医の研修医宿舎数グラフ改変

厚生労働省 医師臨床研修制度の評価に関するワーキンググループ(第3回)資料「臨床研修病院における研修医の処遇」(平成23年)をもとに作成
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001vj46-att/2r9852000001vj7i.pdf

大学病院、臨床研修病院問わず、多くの病院で宿舎が用意されています。

大学病院で宿舎を用意している場合、40戸以上持っているところが多く、臨床研修病院では10戸未満の少数のところが多い傾向がみられました。

住宅手当

住宅手当の平均月額
大学病院 24,600円
臨床研修病院 35,100円
参考:厚生労働省「臨床病院における研修医の処遇」(平成23年)

研修医宿舎がない場合は、住宅手当をもらえることがあります。大学病院と比較して臨床研修病院の方が、住宅手当をもらえる病院が多いようです。

住宅手当の平均額も、大学病院は24,600円、臨床研修病院は35,100円と、臨床研修病院の方が手厚い傾向にあります。

当直回数

平均の当直回数(※)
大学病院 3.41回/月
臨床研修病院 3.89回/月
参考:厚生労働省「臨床病院における研修医の処遇」(平成23年)
※研修1年次の場合

当直回数は、大学病院・臨床研修病院いずれもひと月に3~4回のところが多く、大学病院で平均3.41回、臨床研修病院で平均3.89回です。微妙な差異ではありますが、積極的に当直をして収入を増やしたい方は臨床研修病院、収入よりもワークライフバランスを重視したい方は大学病院を選択するのが良いのかもしれません。

給料アップを目指すなら、専攻医になってからアルバイトを

研修医のうちに給料をアップさせるのはなかなか難しいのが現状ですが、専攻医になれば、研修先によってはアルバイトをすることが可能です。

医師のアルバイトは外来、検査、手術など多岐にわたります。給料アップに加えて臨床経験を積むことができれば、一石二鳥ではないでしょうか。

転職コンサルタントに相談し、自分に合ったアルバイト先を紹介してもらうのもおすすめです。

ドクタービジョン編集部

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