「訪問診療の年収が高水準な理由を知りたい」
「若いうちに資産形成をするために、効率よく年収アップを目指せる環境を選びたい」
訪問診療への転職を検討される先生方にとって、年収と労働負荷のバランスは最も関心の高いテーマではないでしょうか。
訪問診療は「ベテラン医師のセカンドキャリア」というイメージをお持ちの先生も多いかもしれませんが、近年では「若手・中堅医師が高年収を実現しながら将来的なキャリアを構築する働き方」としても注目されています。
そこで今回は、多くの先生や採用担当者と関わってきたドクタービジョンの転職コンサルタントが「訪問診療の給与相場」について解説します。「インセンティブの仕組み」や「報酬を最大化する求人の見極め方」も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

アドバイザー:K.S
2016年入社 担当エリア:関東
訪問診療医の年収相場 | なぜ高水準になりやすいのか

なぜ病院勤務医よりも年収が高水準になりやすいのか、その要因は主に以下の3点に集約されます。
- 病院勤務医と異なる収益構造
- 訪問診療の年収を支える保険診療報酬の仕組み
- インセンティブ制度が年収に与える影響
病院勤務医と異なる収益構造
一般的な病院勤務医の年収が1,200万円~1,500万円程度であるのに対し、訪問診療医では1,800万円以上を提示する求人も珍しくありません。こうした差は、給与構造の違いに起因する部分が大きいと考えられます。
| 項目 | 病院勤務医 | 訪問診療医 |
|---|---|---|
| 主な給与原資 | 基本給 + 当直手当 | 基本給 + インセンティブ + オンコール手当 |
| 収益構造 | 設備維持費・人件費の比率が高い | 設備投資が少なく、利益率が高い |
| 昇給要素 | 役職や勤続年数に依存 | 担当患者数や対応件数がダイレクトに反映 |

訪問診療は、MRIや手術室といった高額な医療機器への投資が不要なため、固定費が抑えられる分、売上(診療報酬)を医師の給与として還元しやすい構造となっています。
つまり「自分の頑張りがダイレクトに年収に直結する環境」と言えます。 また、将来的に開業を目指す先生にとっても、この「低資本・高収益」のビジネスモデルを学べる点は、大きなメリットとなるでしょう。
訪問診療の年収を支える保険診療報酬の仕組み
訪問診療の年収が高水準になりやすい背景には、保険診療報酬の仕組みが影響しているとされています。在宅医療は国の政策として推進されており、診療報酬点数が比較的高く設定されている傾向にあるためです。特に重症度の高い患者さまや、がん末期、神経難病などの患者さまへの訪問診療では、高い診療報酬が算定される仕組みになっています。
効率的に多数の患者さまを診療できる体制を構築できれば、医療機関の収益性が向上し、結果として医師の年収も高くなるといった仕組みです。
インセンティブ制度が年収に与える影響
インセンティブ制度の有無と内容は、訪問診療医の年収を大きく左右する要素の1つです。医療機関によって担当患者数が規定を超えた場合に給与が増額される制度や、緊急往診や看取り対応1件につき一定額が支給される制度など、様々な形態のインセンティブが存在します。こうした制度を活用することで、基本給に数百万円を上乗せできる可能性があります。

インセンティブ制度には注意すべき点もあります。患者さまの数を増やすと年収は上がりますが、それに伴う業務負荷やオンコール対応の頻度も増加する点は考慮しなければいけません。高年収を実現できても、過度な労働時間や精神的負担により「割に合わない」と感じる医師も存在するのが実情です。
年収だけでなく、働き方とのバランスを総合的に判断すると良いでしょう。
オンコールなしを優先する場合は、事前に転職コンサルタントに希望条件を細かく伝えることで年収と働き方の理想のバランスに合わせた求人をお探しいたします。一方、体力のある若手のうちにオンコールや臨時往診を積極的にこなし、短期間で資産形成を行うという戦略を取りたい先生も、目標年収や将来的なキャリアプランと併せてぜひご相談ください。
訪問診療の年収を左右するインセンティブ制度のタイプと戦略

年収アップを狙う場合、その医療機関がどのタイプのインセンティブ制度を採用しているかを見極める必要があります。以下にわけて詳しく見ていきましょう。
- インセンティブ制度の主なタイプ
- インセンティブの算定基準
- 年収が上がりやすい医師の特徴
インセンティブ制度の主なタイプ
訪問診療のインセンティブ制度には、主に以下の2つのタイプがあります。
| タイプ | 概要 |
|---|---|
| 担当患者数・施設数連動型 | 受け持ち患者数が規定を超えた場合に増額 |
| 回数・対応連動型 | 緊急往診や看取りの件数に応じて支給 |
担当患者数・施設数連動型は、例えば1年後に一定数の患者さまや施設数が増えた場合に年収が数十万円から数百万円増加するケースや、損益分岐点を超えた利益を分配する形態などがあります。
一方の回数・対応連動型は、1件あたり数万円から十数万円が支給される場合もあり、オンコール対応を積極的にすることで年収を増やせる可能性があります。
このほか、個人の売上に対するパーセンテージを支給する「売上連動型」もありますが、これは個人開業に近い形態や一部の法人に限られます。

年収をより重視する先生には、「担当患者数・施設数連動型」のインセンティブ制度を持つ医療機関が良いでしょう。先述したように訪問診療は設備投資の少なさによって、患者数が売上・利益に直結しやすい特性があります。施設訪問を中心とした効率的な診療体制がある医療機関では、担当患者数を増やすことでベース年収を上げられるでしょう。
もし訪問診療の経験者であれば、新規立ち上げの院長職も高年収なため狙い目です。訪問診療クリニックの立ち上げに携わる場合、患者獲得の努力が直接年収に反映される仕組みが整っているケースが多く、成功すれば2,000万円以上の年収と「経営実績」というキャリアの両方を手に入れることができるでしょう。
インセンティブの算定基準
インセンティブの算定基準は医療機関によって大きく異なります。担当患者数連動型の場合、何名以上からインセンティブが発生するのか、増加人数に対してどの程度の金額が支給されるのかを明確にしておく必要があります。施設訪問と居宅訪問で算定基準が異なる場合もあり、どちらの患者さまを主に担当するかによって年収が変わる可能性も考慮した方が良いでしょう。
一方の回数・対応連動型では、緊急往診や看取り対応がどのように定義されるか、1件あたりの支給額はいくらかの確認が重要です。オンコール待機そのものに手当が出るのか、実際に出動した場合のみ手当が発生するのかによっても、実質的な収入は大きく変わります。
こうした算定基準が曖昧なまま入職すると、期待していた年収が得られないリスクがあるため注意が必要です。
年収が上がりやすい医師の特徴
訪問診療で年収を上げる条件と聞くと、「高度な医療スキル」をイメージされるかもしれません。しかし、実際の現場で最も年収に直結する土台となるのは「コミュニケーション能力」です。
病院勤務とは異なり、訪問診療は患者さまの生活の場に入り込むため、患者さまやご家族、訪問看護師やケアマネジャーといった多職種との連携が不可欠です。そのため、患者さまやご家族、多業種との円滑なコミュニケーションができる先生は「優秀な訪問診療医」として評価され転職で高収入を得られる可能性が十分にあります。
そして「コミュニケーション能力」を土台とし、その上で以下のようなスキルを磨いていくことで、さらなる着実な年収アップが狙えるでしょう。
| 特徴 | 年収への影響度 | 具体的な要因 |
|---|---|---|
| ジェネラリスト | 高 | 専門外でも断らず幅広く対応できるため、担当患者数を増やせる |
| 緊急時の判断力 | 中~高 | 現場で迷わず判断し行動できる医師は、訪問診療の要として重宝される |
| 専門性・学ぶ意欲 | 中 | がん末期や神経難病など、診療報酬点数が高い重症患者さまに対応できる |
| 新規の患者さま獲得に意欲的 | 高 | 担当患者さまの増加でインセンティブ発生。 |
| 観察力 | 中 | 日々の少しの違いに気づけることが、病状の悪化防止など治療の質を左右する |
訪問診療の年収は地域でどう違う?高年収求人の見極め方

訪問診療の年収は、全国一律で同じではありません。地域はもちろんのこと、クリニックの規模によっても異なります。ここからは、以下にわけて年収の違いと高年収求人の見極め方について、詳しく見ていきましょう。
- 都市部と地方の具体的な年収相場の違い
- クリニックの規模による年収の差
- 年収1,800万円以上を提示する求人に共通する特徴と条件
- 高年収求人に隠れた働き方の実態
都市部と地方の具体的な年収相場の違い
訪問診療の年収について、都市部と地方の差は意外と小さいとされています。都市部では約2,000万円、地方では約1,800万円が相場であり、その開きは200万円程度にとどまる場合が多いようです。地域によっては差がほとんどないケースもあります。
病院勤務医の場合は、都市部と地方で年収差が大きい傾向にありますが、訪問診療では地域差が比較的小さい点が特徴と言えるでしょう。

地方であっても、関東や関西から進出してきた大手法人が地場のクリニックより高い給与水準を提示する場合もあります。医師不足が深刻な地域では、優秀な医師を確保するために都市部と同等かそれ以上の年収を提示するケースも見られます。
オンコール手当を含めるかどうかでも総額は変わり、中には週1回のオンコール待機で年間150万~200万円程度の上乗せがある医療機関もあります。
クリニックの規模による年収の差
訪問診療クリニックの規模によっても、年収水準に差が生じる傾向にあります。特に、大規模な法人が運営する訪問診療クリニックでは、基本給が高めに設定され、福利厚生も充実している場合が多いようです。患者数も安定しており、インセンティブを得やすい環境にも期待できます。
一方の小規模なクリニックでは、立ち上げ期には年収が低めでも、患者数が増えるに従って大幅な年収アップが期待できるケースがあります。院長職として経営に深く関わる場合は、クリニックの成長がそのまま自分の年収に反映されるため、大きな収入増もあるでしょう。ただし、経営リスクを負う側面もあり、患者獲得がうまくいかない場合は期待した年収に届かない点には注意が必要です。
年収1,800万円以上を提示する求人に共通する特徴と条件
年収1,800万円以上を提示する訪問診療求人には、いくつかの共通した特徴があります。中でも以下の2点は、重要なポイントです。
- 有料老人ホームなどの施設訪問が中心である
- 診療報酬点数が高い重症の患者さまを多く診ている
有料老人ホームなどの施設訪問が中心の求人は「施設メイン(数で稼ぐ)」モデルであり、効率的に多数の患者さまを診療できる体制が整っています。一度の訪問で10名以上の患者さまを診察できる施設もあり、移動時間を抑えながら高い収益性を実現している場合が多くあります。
効率的に件数を回せるため、インセンティブが発生しやすく、結果として高年収につながりやすいのが特徴です。
一方の診療報酬点数が高い重症の患者さまを多く見ているような求人は、「重症度が高い(単価で稼ぐ)」モデルです。居宅訪問を中心としながら、がん末期や神経難病などの患者さまを多く診ていきます。専門的な知識と経験が求められますが、その分高い報酬が設定されている傾向にあります。緩和医療専門医や神経内科専門医などの資格があれば、優遇される可能性は高いでしょう。
高年収求人に隠れた働き方の実態
高年収を提示する求人には、その対価として過酷な労働条件が設定されている場合があるため注意が必要です。 具体的には「医師が自分で運転する」、「看護師などのアシスタントがつかず、カルテ入力も全て医師が行う」など、人件費を削減して医師の給与に還元しているケースがあります。その他、オンコール対応の頻度が想定以上に多く、プライベートな時間の確保が難しい場合もあります。
年収1,800万円~2,000万円という条件でも、1日10件以上の訪問を自ら運転して回り、合間にカルテを書き、夜間も頻繁にオンコールが鳴るようでは、疲弊してしまい長く続けることは難しいかもしれません。 「高年収=激務」とは限りませんが、あらかじめ転職コンサルタントに相談し、具体的な診療体制などを確認することをおすすめします。

こうした「実際のオンコールの頻度」や「運転手の有無」といった内部事情は、求人票からは読み取りにくく、面接の場でも直接は聞きにくいものです。 転職コンサルタントにご相談いただければ、求人票には載っていない医療機関の内情や、実際の働きやすさについて詳しくお伝えできます。「年収は確保したいけれど、激務は避けたい」という先生は、ぜひ一度ご相談ください。
訪問診療の年収で後悔しない!契約前に確認すべき重要事項

訪問診療の年収で後悔しないためには、契約前に確認しておくべき項目があります。訪問診療への転職後に後悔する大きな要因に、「業務負荷(オンコール・移動)」と「報酬」のバランスが崩壊していることがあります。
転職後に後悔しないためにどのような点を確認すれば良いのか、転職コンサルタントが以下にわけて詳しく解説します。
- オンコール手当の有無と金額設定の確認ポイント
- インセンティブ算定基準の具体的な確認方法
- 年収交渉のタイミングと希望年収を伝えるコツ
- 求人情報だけではわからない年収の実態を知る方法
- 報酬への納得感を揺るがす「その他の後悔ポイント」
オンコール手当の有無と金額設定の確認ポイント
オンコール手当については、待機そのものに手当が出るのか、実際に出動した場合のみ手当が発生するのかを明確に確認する必要があります。待機手当は週1回あたりとして年150万~200万円を支給されるのが一般的ですが、医療機関によって設定が大きく異なります。
あわせて、オンコール当番の頻度も確認したい事項です。週1回のローテーションなのか、月に数回なのか、複数医師で分担しているのか1人で全てを担うのかによって、負担が大きく変わるためです。オンコール時のバックアップ体制があるか、看護師や他のスタッフがファーストコールを受けてトリアージしてくれるかといった点も、実際の負担に直結する要素でしょう。
働いた時のシチュエーションまで考慮しながら年間のオンコール手当総額を試算し、その金額が負担に見合っているかを冷静に判断しましょう。
インセンティブ算定基準の具体的な確認方法
インセンティブの算定基準に関しては、契約書に明記されている内容を細かく確認する必要があります。以下のような部分の詳細を入念にチェックしましょう。
- 担当する患者数が、いつどのように計測されるのか
- 月末時点の患者さまの数なのか、平均値なのか
- 施設と居宅で算定方法が異なるのか
この他、インセンティブの支払いタイミングも確認しておきたい項目です。毎月支払われるのか、年に1回まとめて支給されるのか、患者数が増えてからどのくらいの期間で反映されるのかによって、実際の手取り収入のイメージは変わります。
面接で過去の在籍医師の実績例を聞くことができれば、より具体的なインセンティブ額を想定できるようになるでしょう。このような内容は先生から直接聞きづらい内容にもなりますので、転職コンサルタントから質問を行う形をとるとスムーズです。
年収交渉のタイミングと希望年収を伝えるコツ
年収交渉は内定が出た後、契約書にサインする前のタイミングで行うのが効果的です。面接の段階で希望年収を聞かれた場合は、市場相場を踏まえた現実的な金額を提示しましょう。訪問診療経験者であれば1,800万円~2,000万円程度を目安として提示するのが妥当と言われています。
この際、自身の経験やスキル、専門性を具体的に示しながら、その年収に見合う貢献ができるとアピールするようにしましょう。
求人情報だけではわからない年収の実態を知る方法
求人情報に記載されている年収は、あくまで想定年収や上限金額であり、実際に得られる年収とは異なる場合があります。より詳しく知るためには、転職コンサルタントの活用もおすすめです。転職コンサルタントは過去の転職実績から、その医療機関での実際の年収水準や昇給の可能性について情報を持っている場合があります。
オンコール手当を含めた総額なのか基本給のみなのか、インセンティブがどの程度確実に得られるのかといった詳細についても、転職コンサルタントを通じて確認すると、より正確な情報を得られるでしょう。
報酬への納得感を揺るがす「その他の後悔ポイント」
条件が良い求人でも、以下の要素を見落とすと、キャリアの停滞や精神的なストレスにより早期離職につながるリスクがあります。
「業務負荷(オンコール・移動)」と「報酬」のバランスだけでなく、以下の点についても実情を確認しましょう。
| 項目 | よくある後悔のケース | 確認すべきポイント |
|---|---|---|
| キャリアの誤算 |
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| 人間関係・ストレス |
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| 勤務条件・休暇体制 |
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契約前の確認プロセスは、入職後の「納得感」に直結する重要なステップです。提示された年収額だけに捉われず、その裏側にある働き方やキャリアへの影響も含めて総合的に判断することが、後悔のない転職を実現する鍵となります。
疑問や不安な点は曖昧なままにせず、すべて解消してから入職の意思決定を行うことをおすすめします。
訪問診療で年収アップを実現して理想の働き方を手に入れよう

訪問診療は、医師としてのセカンドキャリアではなく、若手医師や中堅医師が「ワーク・ライフ・バランス」と「高年収」の両立を戦略的に目指せる働き方でもあります。
特にこれからの時代、訪問診療の需要は高まる一方であり、この分野でスキルと経験を積むことは、将来どのようなキャリアに進むにしても大きな武器となるでしょう。
「効率よく稼ぎたい」「将来のために経営を学びたい」「メリハリをつけて働きたい」、そんな先生の希望を叶える求人に出会うためにも、まずはご自身の理想のキャリアプランを、ぜひ転職コンサルタントにご相談ください。
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