出産を機に退局、非常勤から段階的な仕事復帰を目指して 婦人科医・E.M先生(30代・女性)

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インタビュー 転職成功事例

公開日:2022.12.08

出産を機に退局、非常勤から段階的な仕事復帰を目指して 婦人科医・E.M先生(30代・女性)

出産を機に退局、非常勤から段階的な仕事復帰を目指して 婦人科医・E.M先生(30代・女性)

雇用形態
スポット
診療科目
婦人科
施設種別
大学医局
職場環境
子どもが小さく定期的な勤務が難しかったため、都合の良い日や隙間時間を活用してスポットとして勤務
雇用形態
定期非常勤
診療科目
婦人科
施設種別
クリニック
職場環境
子どもの手がかからなくなってきたため 、いずれは常勤復帰の将来を見据えて定期勤務が可能な非常勤として勤務

ライフステージによって大きく変化する女性医師のキャリア。実際、出産を機に仕事を離れざるを得ないケースも多く、『平成29年8月女性医師の勤務環境の現状に関する調査報告書(日本医師会男女共同参画委員会・日本医師会女性医師支援センター)』によれば、女性医師の休職・離職の理由では『出産・子育て』が最も多くなっています。

単発のスポット案件から徐々に復帰していく女性医師も多いなか、今後のキャリアや働き方に不安を抱えている方も少なくありません。今回は、出産を経て仕事復帰をされた婦人科医・E.M先生のケースをご紹介します。

出産を機に子育てに専念。子育てがひと段落し、自身のキャリアを見直す

本日は宜しくお願いいたします。まず、これまでの先生の就業状況について教えていただけますでしょうか。

出産をする前は、常勤医として大学医局に所属しており、多忙な生活が続いていたので、出産を機に「今後の働き方を見直したい」と考えて医局を退局することにしました。出産してからはしばらく子育てに専念し、2人目が保育園に入るタイミングで復帰を考え始めました。

復帰の際は、スポットでのお仕事から始められたと伺いました。

そうですね。子育てでしばらく医療現場から離れていたこともあり、産後は徐々に職場復帰がしたくて、最初は婦人科クリニックでスポットの仕事をしていました。そのおかげで子どもとの時間も十分に取ることができましたし、自分の都合に合わせて働けるスポットでの働き方は、自分にとても合っていたと思います

そうだったのですね。そうしたなかで今回、本格的な仕事復帰を希望されたのにはどのような理由があったのでしょうか。

去年の春に上の子が小学生になり、下の子も保育園に慣れてきて、少し手が離れるようになりました。そこで、今度は自分の将来やキャリアについて考え始めました。もともと医師の仕事が楽しくてやりがいを感じていたので、退局してからもいずれは常勤に復帰したいという希望がありました。「そろそろ段階的に働き方を変えていっても良い頃かな」と思って、ドクタービジョンのコンサルタントに相談しました。

子育てと仕事の両立をしながら、将来に向けたキャリアプランを設計

お仕事を探すうえで、どのようなことを相談しましたか?

まずは、コンサルタントに「将来は常勤として働きたいこと」「子どもの成長に合わせて段階的に働き方を変えていきたいこと」を伝えました。

条件としては、下の子がまだ小さいこともあり、保育園の送迎なども考慮して「自宅からの距離」は一番重視しました。あとは子ども2人の受験にかかる費用や教育費のことも考えて「日給10万円以上」という条件もあげさせていただきました。

そこからは、定期非常勤での働き方を提案いただき、私があげた条件に当てはまる多くの求人を紹介してもらいました

多くの選択肢の中から選んだ就業先は、どのような点に惹かれたのでしょうか。

先にあげた「自宅からの距離」「給与」という2つの条件をクリアしていたのはもちろんですが、最終的に選んだのは"17時までの勤務が可能"という珍しい条件のクリニックでした。

希望通りで、さらに夕方お迎えがある子育て中の方にはとても優しい条件ですね。

はい。でも、こうした条件はもちろんですが、なによりも面接を対応してくれた院長やスタッフの人柄がとても素敵で...。在籍中のスタッフに子育て中の方が複数名いることも事前に聞けたので、そうしたクリニックの雰囲気や人柄などが最終的な決め手になりましたね

スポット勤務のときは、良くも悪くもビジネスライクな関係で、求められていることのみを行って定時に帰る...というようなサッパリとしたスタイルでした。でも、定期非常勤では毎週顔を合わせて働くことになりますよね。ですから、スタッフの雰囲気も良く、こんな素敵な環境で働けたら、幸せなことだなと思い、こちらで勤務をすることにしました

子育て中の女性コンサルタントによる細やかなサポート

これまでの勤務形態を変えることに、不安はありましたか?

もちろんありました。週2日の定期非常勤とはいえフルタイムでの勤務になるので、「体力はもつか」「家事育児は今まで通りこなせるか」という点は、実際に仕事に就いて落ち着くまで、ずっと不安でした。でも、担当してくれたコンサルタントの方が子育て中の女性だったことが大きかったですね。子育ての大変な部分にも理解があり、細かい相談にものってもらえたので安心できました

それから子どもの体調不良や学校行事などで電話に出られなかったり、ゆっくりお話しする機会をもてなかったりしたのですが、そんなときはメールでのやりとりで密にコミュニケーションを取ってくださって大変助かりました

職場復帰までは本当にやることが多くて、体力もいるし、時間もかかるし。家庭と仕事、それから復帰の準備と忙しい日々でしたが、理解して配慮していただけたので、本当に相談して良かったと思っています。

そう言っていただけて、とても嬉しいです。そもそも、『ドクタービジョン』を選んでいただいたのには、何か理由があったのでしょうか。

そうですね。始めは復帰のときに求人サイトを検索していて、ドクタービジョンは「"女性医師歓迎"の求人が多い」と感じて登録しました。それからはスポット勤務でいくつかお仕事の紹介をしていただいていたので、コンサルタントの方とは定期的に連絡を取っていました。その流れで相談させていただいたのが、今回の復帰に至った経緯です。

出産を機に働き方を見直し。改めて現場の面白さを実感

復帰をして、仕事のやりがいや面白さは感じられていますか?

はい。日々、現場の面白さを感じています。現在の業務内容としては、子宮頸部細胞診、内診、経膣エコー、乳房視触診などといった婦人科検診と外来を中心に1コマ20〜25名程度の患者さまを診ています。復帰前よりは扱う疾患の幅は少なくなりましたが、その分担当業務に集中できるので、一人ひとりの患者さまとじっくり向き合うことができているのを実感しています

今の職場で叶えたい先生の目標がありましたら教えてください。

今はまだ復帰したばかりですが、子育てとの両立にもう少し余裕がでてきたら、常勤医としてもっと多くの患者さまを診たいです。そのために今は段階的に仕事復帰をして、子どもが大きくなったときに医師という仕事を誇りに思ってもらえるよう、私自身も楽しみながら医師としての仕事に向き合っていきたいと思っています。

ありがとうございます。それでは最後に、仕事と子育てとの両立に悩まれている求職中の医師へ、メッセージをお願いします。

私は出産・子育てで一度は現場を離れましたが、こうしてまた医師として働くことができて、メリハリのあるとても充実した日々を過ごせています。ライフステージの変化による離脱は、多くの女性医師が直面している課題として捉えられがちですが、改めて自分の働き方を見直すきっかけにもなると思っています。

最初は不安なことも多々あると思いますが、まずは週1や半日からなど、自分に合ったスタイルで徐々に働き方をシフトしていくことも可能です。「大丈夫かな」と不安を抱えた状態でも、コンサルタントと話すことで考え方が変わったり、新たな気づきが生まれたりすることもあります。これまでのキャリアや置かれた状況を踏まえてベストな方向性を提案してくれるので、ぜひ尻込みせずコンサルタントの方を頼ってみて欲しいです。

コンサルタント
コンサルタントからの一言

最近、女性の先生からお仕事と家庭の両立についてご相談をいただく事が増えたと感じています。


今回ご支援させていただいた先生も、ご出産を機に医局を離れられたものの、やはり医師として現場で働きたいという想いをお持ちでした。一方でまだ保育園に通われているお子様もいらっしゃり、フルタイムに戻すことは難しいという中で、まずは非常勤でお仕事復帰というご選択に至りました。 非常勤勤務といえども、保育園送迎に間に合う時間なのかということ以外に、働く上で心配な事は沢山あるかと思います。 今回は、複数診制で医師体制が充実しているだけでなく、子育て中のママさんドクターが多く在籍されており、お互いフォローし合っている環境だという事で安心してご勤務いただく事ができました。

私自身も産育休を経て保育園に通う子供がいる身だからこそ、先生のお気持ちに寄り添う事ができたのではと思っております。 「このような厳しい条件で受け入れてくださるところはあるのでしょうか。」とご不安な想いでお問合せいただく先生も多いですが、私達がしっかりとご支援をさせていただきますので、ぜひ安心してご相談ください。

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ドクタービジョン編集部

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