新型コロナワクチン接種業務への協力のお願い
ドクタービジョンでは、新型コロナワクチン接種業務に勤務可能な先生を募集しています。

医療動向 公開日:2021.09.17

専攻医とは?関連する制度も詳しく解説

専攻医とは?関連する制度も詳しく解説

新専門医制度がスタートして耳にするようになった「専攻医」。専攻医とは2018年度から始まった新専門医制度として新たに登場した研修医の名称の一つで、従来の「後期研修医」に相当するものです。今回は専攻医の概要や関連制度について詳しく解説します。

国家試験合格後の医師のキャリアと専攻医

国家試験合格後の医師のキャリアと専攻医

医学部を卒業し医師国家試験に合格すると、いよいよ医師としてのキャリアが始まります。国家試験合格後は「初期研修医」と「専攻医」を経て、ようやく一人前の医師としてスタートできるといってよいでしょう。ここでは、初期研修医と専攻医について解説します

研修医(初期研修医)

原則として2年間、大学病院または国の指定を受けた研修病院で研修を行うものです。初期研修では各診療科をローテートし、おもに頻繁に関わる負傷・疾病の診療や救急対応などを学びます。

初期研修では以下の診療科のローテートが義務付けられています。

  • 内科:24週以上
  • 救急科12週以上(4週まで麻酔科に振り替え可能)
  • 外科、小児科、産婦人科、精神科:各4週以上
  • 地域医療:4週以上
  • 上記に加えて、一般外来での4週以上の研修も必修です。

    専攻医

    専攻医は、初期研修を終えたあとに専門医取得を目指して、各病院の専門研修プログラムで学ぶ3年目以降の医師を指します。従来の制度では「後期研修医」と呼ばれていた医師がこの専攻医にあたります。

    専攻医になるには、初期研修後に日本専門医機構が定めた各病院の専門研修プログラムへの応募・合格が必要です。専門研修の期間は約3〜5年間と初期研修よりも長い研修期間となります。そのため、初期研修以上に医師としてのキャリアやライフプランを考えたうえで研修先を選ぶ必要があります。

    専門医と専攻医の違い

    専門医と専攻医の違いは、専門医資格の有無です。専門医を目指す研修期間の医師を「専攻医」所定の専門研修プログラムを終え認定を受けて専門医資格を得た医師を「専門医」と呼びます

    専攻医が知っておきたい「専門医制度」

    専攻医が知っておきたい「専門医制度」

    初期研修を終えたあと、医師のキャリアを積むうえで必須となってくるのが専門医資格です。ここでは、従来の専門医制度と新専門医制度について解説します。

    専門医制度とは

    専門医制度は、各診療科、領域におけるスペシャリストを育成し、質の高い医療を提供することを目的に生まれた制度です。旧専門医制度では各学会が専門医の認定を行っていました。専門医は医師としての経験やスキルを患者さまなどに理解してもらうためのいわば「信頼の証」で、医師のキャリア形成において重視されるものの1つです。

    新専門医制度適用の背景

    2018年度から従来の専門医制度の課題を解決するため、旧制度とは別に新専門医制度がスタートしました。

    旧制度では各診療科・領域の学会が独自に専門医を認定していたため、専門医認定の基準が統一されておらず医師の質担保が課題となっていました。新専門医制度では、第三者機関である日本専門医機構が専門医取得に必要な研修プログラムの認定を行うことで専門医の認定基準の標準化が図られます。

    新専門医制度が地方の医師不足を助長するのではないかとの声もありましたが、専門医の更新要件として医師不足地域への従事を盛り込む議論がなされるなど、医師の地域偏在解消への動きも出ています。

    新専門医制度の概要

    新専門医制度の概要

    専門医の研修方法

    新専門医制度の専門研修プログラムには基本領域とサブスペシャリティ領域の2つがあり、前者を1段階目、後者を2段階目とした2段階構造になっています。サブスペシャリティ領域の専門医を取得するには、基本領域における専門医の取得が必須です

    専攻医になると、19の基本領域から1つの専門研修プログラムに参加して研修を受けます。研修段階と言っても、院内では所属する診療科の医師として同僚や患者さまと接するので気を抜かずに、責任感をもって勤務しましょう。

    基本領域の専門医を取得後は、自身のキャリアやより深めたい専門性に応じてサブスペシャリティ研修を選びます。

    専攻医に関連する「シーリング制度」

    専攻医に関連する「シーリング制度」

    新専門医制度は医師の質を担保するために始まった制度ですが、別の問題も生じています。専門医認定の要件が厳しくなったことで専門研修プログラムに対応できる基幹病院が減少し、一部の地域や診療科に人気が集中したのです。そのため、以前から問題となっていた地域間や診療科間の医師偏在が助長されるのではないかとの懸念がありました。

    これらを受けて、日本専門医機構は都道府県や診療科に医師の採用数上限を設ける「シーリング制度」を設定しました。

    シーリング制度の概要

    シーリング制度とは、すでに必要な医師数を確保できている都道府県や診療科に採用数の上限(シーリング)を設ける制度で、2020年度から実施されています。

    具体的には、採用数の一部は「連携プログラム」枠として、研修プログラムの50%以上をシーリングのない都道府県で行います。さらに、「連携プログラム」枠の一部(上限5%)では、研修プログラムの50%以上を医師不足が顕著な地域で実施することで医師の偏在を改善する狙いです。

    2021年8月現在、シーリングの対象となっている診療科は次のとおりです。

    <シーリング制度対象の診療科>

  • 内科
  • 小児科
  • 泌尿器科
  • 脳神経外科
  • 整形外科
  • 形成外科
  • 耳鼻咽喉科
  • 放射線科
  • 皮膚科
  • 精神科
  • 麻酔科
  • 眼科
  • リハビリテーション科
  • 診療科以外の区分では、自治医大卒の医師や医学部の地域枠で合格した医師がシーリングの対象外となっています。

    2022年度以降のシーリング制度

    シーリング制度適用の判断基準となる「都道府県・診療科別の必要医師数」が現場の実態に即しているかというと、そうではありません。現場からは必要医師数を調整するべきとの意見もあがっています。

    2022年度は2021年度から変更はないものの、2023年度については診療科ごとの必要医師数について議論を進める意向が日本専門医機構から示されました。今後も、シーリング制度を含めた新専門医制度の状況は刻々と変わっていくことが予想されます。

    専攻医は初期研修を終え、専門医を目指す段階の医師

    専攻医は初期研修を終え、専門医を目指す段階の医師

    専攻医は、初期研修を終えて専門医を目指す段階である専門研修プログラム参加中の3年目以降の医師を指します。どの専攻に進むかは、今後の医師としてのキャリアを左右するため、自分に合った専攻を見つけることが大切です。

    また、専攻医の応募・採用や新専門医制度は今後も変わることが予想されます。突然の方針変更に慌てないためにも、日頃から情報収集を欠かさず行うようにしましょう。

    今の働き方に不安や迷いがあるなら医師キャリアサポートのドクタービジョンまで。無料でご相談いただけます