医師の年収、現実はどう?収入アップの方法も紹介

医師がキャリアや働き方を考える上で参考となる情報をお届けします。
医療業界動向や診療科別の特徴、転職事例・インタビュー記事、専門家によるコラムなどを日々の情報収集にお役立てください。

マネー

公開日:2023.05.17

医師の年収、現実はどう?収入アップの方法も紹介

医師の年収、現実はどう?収入アップの方法も紹介

医師の年収は世間的には高いと言われていますが、あまり実感できない方もいるのではないでしょうか。自分の年収が他の医師と比べて低いのなら、転職について真剣に考えたいと思っている方もいるでしょう。

今回は医師の年収の現実について、詳しく解説していきます。

医師の年収の現実は?

医師は一般的に年収が高いと言われており、1,000万円を超える場合も珍しくありません。日本国内で勤務する医師の平均年収は以下の通りです。

約1,429万円(平均年齢44.1歳)*1
「きまって支給する現金給与額」×12+「年間賞与その他特別給与額」で平均年収(概算)を算出し、四捨五入で表記

上記は管理職の医師や開業医に加えて、研修医などの若手の医師も含めた金額であり、実際は経験年数や勤続年数、勤務先によっても異なります。

とはいえ、日本人全体の平均年収は約443万円*2。やはり医師は高収入であることがわかります。

医師が年収に不満を抱く理由

考える白衣を着た男性

世間的には高収入と言える給与額にもかかわらず、なぜ年収について不満を抱く医師がいるのでしょうか。その理由には以下の2点が考えられます。

  • 研修医時代は給与が低い
  • 医師になるまでのコストや、業務の負担が大きい

研修医時代は給与が低い

研修医1年目の平均年収は、450万円程度*3, ※が相場です。

大卒全職種の1年目の平均年収は約210万円。研修医の年収は一般と比較し、高いと言えるでしょう。

一方で、1,000万円を超えるような、格別に高い給与ではありません。医師全体の給与を念頭に置いてしまうと、不満を感じる方もいるでしょう。

研修期間を終えると年収は段階的に上がっていき、30代には1,000万円前後までアップすると見込まれます。初任給の金額は一時的なものと思って問題ありません。

※研修医の初任給は、資料*3の「臨床研修医の推定年収➀」1年次と2年次の額からおおよその金額を、大卒者の平均年収は同年(平成23年)の賃金構造基本統計調査 (初任給)を加工し、算出しています。

医師になるまでのコストや、業務の負担が大きい

医師になるには、大学入試や医師国家試験に合格するための受験勉強、卒業までにかかる年数、学費などの面で、他の職業を目指す場合と比べて負担が大きいと言えます。そのため、努力や費用といったコストに給与が見合わないと感じる人もいるでしょう。

また、無事に医師になれても、当直やオンコールなどの長時間労働により身体的・精神的に大きな負担を感じることも少なくないでしょう。さらに学会や論文執筆、専門医取得などの学術活動には給与が発生しないため、年収が高くても割に合わないと感じる医師がいるのも事実です。

医師の平均年収を徹底解説

実際、医師の年収はどのくらいでしょうか。ここでは以下4つの観点で解説していきます。

  • 経験年数
  • 業務内容
  • 勤務先の規模
  • 都道府県

【経験年数別】医師の平均年収

経験年数 平均年収*1
0年(初年) 約517万円
1~4年 約829万円
5~9年 約1,077万円
10~14年 約1,317万円
15年以上 約1,682万円
「所定内給与額」×12+「年間賞与その他特別給与額」で平均年収(概算)を算出し、四捨五入で表記

研修医の年収は医師の中では低いですが、専攻医になると段階的に上がっていきます。5~9年目頃には多くの医師が専門医を取得するようになり、年収1,000万円を超える医師も増えてきます

上記は超過労働給与額(時間外勤務や当直手当など)を含まないため、実際の年収はこれより高いと予想されます。

▼研修医の給与について、詳しく解説している記事はこちら
研修医・専攻医の平均年収はいくら?給料に関するよくある質問にも回答

【業務内容別】医師の平均年収

ドクタービジョン医師平均年収解説関東版p5

出典:ドクタービジョン「《地域別》医師平均年収解説 -関東-(2022)」
ドクタービジョン掲載求人2021年12月~2022年12月より算出。上記グラフは、東京都/神奈川県埼玉県/千葉県/宮城県に焦点をあてたデータを使用しています。平均年収を算出するためのデータが得られなかった箇所は0と記載しています。

ドクタービジョンの調査結果では、医師の平均年収は「業務内容」にも影響されます。中でも高収入求人が多くみられる業務内容は訪問診療(個人宅)、訪問診療(施設)、分娩、管理医師、透析管理。上図によると、「訪問診療」は個人宅、施設ともに年収1,600万円を超える医師が33%以上「分娩」は年収1,399万円以下の医師が39%以下しかおらず、2,000万円を超える医師が22%以上と、高収入です。

▼エリア別の詳細な平均年収データや高年収求人のポイント、さらに転職成功事例をご紹介する「《地域別》医師平均年収解説」関東版・関西版をご用意しています。
無料ダウンロードはこちら

【勤務先の規模別】医師の平均年収

従業員数 平均年収*1
10~99人 約1,725万円
100~999人 約1,695万円
1,000人~ 約1,245万円
「きまって支給する現金給与額」×12+「年間賞与その他特別給与額」で平均年収(概算)を算出し、四捨五入で表記

医師であれば、勤務先の規模に関わらずいずれも高収入ですが、規模が小さい方がより年収が高い傾向にあります。

規模が小さい勤務先で働く医師として挙げられるのが、クリニックや診療所などの開業医。年間賞与などの額は小さいですが、基本給・時間外勤務・各種手当などをすべて含めた毎月の給与が高い傾向にあります。

【都道府県別】医師の平均年収

都道府県 平均年収*1
北海道 約1,325万円
青森 約1,482万円
岩手 約1,754万円
宮城 約1,291万円
秋田 約1,926万円
山形 約1,050万円
福島 約1,828万円
茨城 約1,532万円
栃木 約1,436万円
群馬 約1,839万円
埼玉 約1,520万円
千葉 約2,129万円
東京 約1,248万円
神奈川 約1,209万円
新潟 約1,834万円
富山 約1,235万円
石川 約1,168万円
福井 約1,452万円
山梨 約1,623万円
長野 約1,508万円
岐阜 約1,542万円
静岡 約1,534万円
愛知 約1,465万円
三重 約1,556万円
滋賀 約1,488万円
京都 約1,326万円
大阪 約1,579万円
兵庫 約1,529万円
奈良 約1,232万円
和歌山 約922万円
鳥取 約1,448万円
島根 約1,641万円
岡山 約1,196万円
広島 約1,354万円
山口 約1,971万円
徳島 約1,579万円
香川 約1,219万円
愛媛 約1,465万円
高知 約1,503万円
福岡 約1,094万円
佐賀 約1,279万円
長崎 約1,294万円
熊本 約1,757万円
大分 約1,753万円
宮崎 約1,147万円
鹿児島 約1,764万円
沖縄 約1,594万円
出典:全国~埼玉/千葉~愛知/三重~山口/徳島~沖縄
「きまって支給する現金給与額」×12+「年間賞与その他特別給与額」で平均年収(概算)を算出し、四捨五入で表記

医師の給料は地方に行くほど高くなると言われることもありますが、都道府県別に年収を見ると、一概にそうとはいえないことがわかります。たとえば、東京都の約1,248万円に対し、和歌山県は約922万円です。

また、都市部、地方の中でも差があることがわかります。具体的には、東京都が約1,248万円に対し、大阪府は1,500万円を超えています。地方でも、秋田県の約1,926万円に対して和歌山県は約922万円と、1,000万円近い差があります。

医師の年収を決める要因

医師の年収は、どのような要因で決まるのでしょうか。以下の項目順に、詳しく解説していきます。

  • 医療機関の種類
  • 診療科
  • 個人のスキルや経験
  • 地域

医療機関の種類

勤務医として働くなら、勤務先は基本的に大学病院か市中病院ですが、両者は給与面で500万円ほどの差が出る場合があります

30代半ばの医師の場合、大学病院では年収が1,000万円に達しないこともありますが、市中病院では1,500万円を超える給与をもらえることもあります。給与を重視する場合は市中病院がおすすめです。

しかし、市中病院は大学病院より医師数が少ない傾向にあり、業務量が多くなりやすいと言えるでしょう。

一方で大学病院のほうが、経験できる症例の幅が広く研究も可能なため、一般にスキルアップの観点では大学病院が推奨されます。

診療科

診療科によっても、医師の給与は変わります。たとえば、手術難易度や訴訟のリスクの観点から、脳神経外科や産婦人科、外科、麻酔科などは給与が高い傾向にあります。

しかし医師数が少ないため長時間労働になりやすく、重症度の高い患者さまを診療する機会も多いでしょう。

個人のスキルや経験

勤務医の場合、年収は勤続年数や役職によって決まることが多いです。医師としての経験年数が5年なのか10年なのかによって年収が異なることも多くあります。

また、能力やスキルに応じて給与が支払えるよう、インセンティブ制を導入したり資格手当を支給したりする職場も。個人のスキルを高めることが給与アップにつながると言えるでしょう。

地域

医師の年収は地域の需要と供給のバランスにも左右されます。

医師が足りない地域では年収が高い傾向に。ただし、勤務時間も長くなる傾向にあります。

医師の収入アップの方法

さまざまな要因で医師の年収が決まることがわかりましたが、収入を上げるために、医師自身ができることはあるのでしょうか。詳しく解説していきます。

勤務先に相談する

可能であれば、勤務先に直接交渉してみましょう。医療業界全体で人手不足が叫ばれている中、医師に辞められては困ります。給与アップの相談に乗ってくれる可能性もあるでしょう。

ただし、勤務先の規模や、病床に対する医師の数によって実現可能性は左右されます。

職場の人間関係によっては相談しづらいと感じたり、給与アップを交渉することで業務にプレッシャーを感じたりすることも。その場合は別の方法を検討しましょう。

アルバイトをする

アルバイトをすることで、月に数十万円の収入を上乗せできる可能性があります。

医師のアルバイトは主に外勤で、当直や健診などが含まれます。しかし勤務医の場合、常勤勤務先の規定で外勤できる日数やコマ数に制限があることも。事前によく確認する必要があります。

転職する

勤務医として働き続ける場合、思い切って転職することも視野に入れると良いでしょう。

転職するなら、自分がどの程度の年収を目指すかによって、転職する病院を考える必要があります。また給与だけでなく、自分の望んだ働き方ができるかどうかも大切な判断基準です。

開業する

開業医は勤務医よりも年収が高い傾向にあります。そのため、若いうちは勤務医として臨床経験を積み、ある程度の年齢で開業する方もいます。

しかし、開業には経営の知識や多額の資金が必要なため、事前準備が必要不可欠です。開業したい地域の患者層やニーズを知り、それに対応できるような経営方法を見つけることも求められます。

高収入の求人モデル

どのような施設や業務、条件の場合に高収入が実現できるのか、具体的な求人例を2つご紹介します。

①【脊椎専門クリニック】年収2,500万円も可能な高額求人

ドクタービジョン医師平均年収解説関東版p8脊椎専門クリニック求人情報

出典:ドクタービジョン「《地域別》医師平均年収解説 -関東-(2022)」

脊椎外科の手術がメインの求人です。脊椎手術は1件当たりの点数が高いため、手術の回数に比例して年収も高くなります。都内では、23区から離れるほど給与が上がる傾向にあるため、エリアによってはさらに高収入を目指すことが可能です。

②【院長職】最大2,600万円/週4日可能/新規開設クリニック/専門医不問

ドクタービジョン医師平均年収解説関東版p8院長職求人情報

出典:ドクタービジョン「《地域別》医師平均年収解説 -関東-(2022)」

通常「新規開設」には大きなコストがかかりますが、精神科であれば他の科目に比べて備えるべき設備が少なく、コストを抑えることができます。さらに「院長」という立場での募集のため、役職手当により高収入を目指すことが可能です。こういった高条件が重なった求人の場合、挑戦してみるのもおすすめです。

医師の年収の現実に関するQ&A

医師の年収の現実について、よくあるご質問と回答をご紹介します。

Q:20代の勤務医の平均年収は?

A:24歳は約510万円、25歳~29歳は約696万円*1

医学部卒業後2年間は研修医として勤務し、その後は専攻医として勤務します。通常は大学医局の専攻医を選択することが多いです。しかし、近年は市中病院で専攻医として勤務する医師も増加傾向にあり、大学医局より高収入な場合もあります

Q:30代の勤務医の平均年収は?

A:30~34歳は約969万円、35歳~39歳は約1,421万円*1

専攻医の過程も修了し、いよいよ一人前の医師として働き始める年代です。働き方は人によってさまざま。それぞれのライフプランによって年収も変化していきます。

【働き方の例】
・勤務医として臨床経験を積み専門性を磨く
開業に向けた準備を少しずつ進める
プライベートを優先した働き方を選択する

Q:40代の勤務医の平均年収は?

A:40~44歳は約1,475万円、45歳~49歳は約2,005万円*1

勤務医の場合、40代になると管理職に就くことも多くなります。臨床的にも多くの経験を積み、若手医師の指導や育成に携わる場面も増加。責任ある立場になることに伴い、40代医師の平均年収は大きく上がる傾向です。

Q:医師のボーナスはどれくらい?

A:勤務先によって異なる。ボーナスがない病院も

ボーナスの金額は勤務先により異なります。国公立病院の場合、30代半ばで80万円から100万円程度です。医師とはいえ公務員であるため、そこまで大きな額にならないと言えるでしょう。

一方で民間病院はベースの給与が高い傾向にあり、その分ボーナスも高額(30代半ばで100万円から150万円ほど)と言われています。ただし、年俸制の病院はボーナスが出ないことが多いです。

▼医師のボーナスについて、詳しくはこちら
医師のボーナスはどれくらいもらえるの?

Q:非常勤医師の平均年収はどれくらい?

A:週3日勤務で1,100万円から1,200万円ほど

非常勤医師の平均日給は79,980円です。非常勤医師の年収は勤務日数や常勤先の有無などにより大きく左右されますが、週3日勤務とすると月収100万円前後、年収1,100万円から1,200万円前後と考えられます。

※2021年9月時点のドクタービジョン掲載求人をもとに平均値を算出しています。

▼非常勤で働く医師の年収について、詳しくはこちら
非常勤で働く医師の年収は?どんな人が向いている?

医師の年収は高い。さらにアップを目指すなら転職も視野に

医師の年収は他の職種と比べて明らかに高いです。研修医時代は思ったより給与が高くなくても、経験年数により上昇していく傾向にあります。

ただ、地域特性や勤務先の規模など、どうしても自分の実力で変えられない部分に給与が左右されてしまうことも。今の年収に不満がある場合は、思い切って転職するのもおすすめです。

ドクタービジョンは医師転職サイトで三冠を受賞しており、全国の病院情報に強みを持っています。また経験豊富なコンサルタントが一人ひとりに合った転職支援を行います。転職に興味のある方はぜひ一度、コンサルタントに相談してみてください。

ドクタービジョン編集部

医師がキャリアや働き方を考える上で参考となる情報をお届けします。医療業界動向や診療科別の特徴、転職事例・インタビュー記事、専門家によるコラムなどを日々の情報収集にお役立てください。

今の働き方に不安や迷いがあるなら医師キャリアサポートのドクタービジョンまで。無料でご相談いただけます