「転職を検討しているが、2026年現在の市場がどうなっているのかわからない」
「働き方改革が定着してから忙しくなり転職したいが、他の医療機関も同じではないかと不安がある」
2026年の診療報酬改定の影響で転職市場は変わりつつあるように感じます。そのため、このような不安を抱えている先生も多いのではないでしょうか。理想のキャリアを実現するには、トレンドを意識しながら好条件の求人を選ぶことが重要です。
そこで本記事では、多くの先生や採用担当者と関わってきたドクタービジョンの転職コンサルタントが日々の業務を通じて感じている傾向や意見を中心に「2026年現在の医師の転職市場」を解説します。「転職市場を取り巻く環境変化」や「診療科・地域・雇用形態別の違い」「転職市場で見つかる好条件の求人」も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
※本記事で解説する市場動向は、マクロな統計データだけではなく、当社の転職支援実績や、コンサルタントが日々の面談を通じて得た「現場の知見・傾向」を中心にお伝えするものです。
<この記事でわかること>
- 2026年の医師転職市場を取り巻く環境変化
- 供給飽和が進む医師転職市場の領域
- 2026年の医師転職市場で見つかる好条件の求人

アドバイザー:O.T
2018年入社 担当エリア:関東
2026年の医師転職市場を取り巻く環境の変化

2024年の働き方改革施行から2年が経過し、医師の転職市場は「制度への対応期」から「定着・最適化期」へと移行しつつあると感じています。時間外労働の上限規制が現場に浸透したことで、求人票に記載される条件が以前より具体的で、透明性も高まってきていると考えられます。
以下は、当社のコンサルタントが感じた2024年以前と2026年現在の転職市場の主な変化です。
| 項目 | 2024年以前 | 2026年現在 |
|---|---|---|
| 当直・オンコール | 条件が曖昧なケースが多い | なし/回数明記が標準化 |
| 勤務日数 | 週4~5日が主流 | 週3~4日も増加傾向 |
| 土日祝 | 応相談が多い | 休み固定が定常化 |
| オンライン診療 | 特定の職場のみ | 条件交渉の材料になりつつある |
人手不足もあり、病院側が採用条件で譲歩するケースが増えているように感じます。医師側の交渉力が高まってきているとも考えられます。
2026年度診療報酬改定による市場への影響
2026年度の診療報酬改定は、医師の転職市場にも間接的に影響を与えているように見受けられます。特に精神科では、精神保健指定医の有無によって診療報酬の加算に差が生まれる可能性が示されており、指定医資格を持つ医師の需要が高まっているようです。病院側では救急車の受け入れ強化を目指す動きも見られ、内科医に対しても救急対応の経験や意欲が求められるケースが増えつつあります。
一方で、改定の影響を見極めようとする医療機関が「様子見」の姿勢を取るケースもあり、レセプトの算定結果が出揃うまでは、求人の条件提示を保留しているところも見られます。

今回の2026年度改定で収入面に変化が出ているのが、心臓血管外科、循環器内科、消化器外科、小児外科の4つの領域です。
新設された「地域医療体制確保加算2」により、これらの科の医師に対し「毎月決まって支給される特別な固定手当」の支給が義務化されました。変動給ではなく、ベースとなる固定給のアップに直結する内容となっています。
なお、転職市場においては小児外科は大学医局からの派遣で埋まりやすく、求人数はあまりない傾向にあります。転職市場における実質的な狙い目としては「循環器内科」や「消化器外科」になると考えられます。
医師の希望条件の変化
2026年現在、日々の面談を通じて、医師の転職希望条件は「年収」から「働き方の質」へと重心が移りつつあると感じています。「土日祝休み」や「当直なし・オンコールなし」をはじめ、特にご相談が増えているのは以下の2つです。
「週3〜4日」で社会保険を維持する働き方
以前は週4〜5日勤務が社保加入の実質的なラインでしたが、現在は「週3日+当直・オンコール」などで社保を維持し、残りの時間を副業や育児・趣味に充てたいというニーズが増加傾向にあるようです。週3日勤務を希望するのは比較的女性医師が多く、男性医師は週4日勤務を希望する先生が増えているように感じます。
リモートを含むハイブリッド型
「週1日は在宅でのオンライン外来」という働き方を希望・交渉材料にする先生も増えています。オンライン診療の普及やインフラ整備が進んだことに加え、医療機関側も医師確保や労働時間短縮(上限規制対策)の観点から、週のうち1日を在宅勤務とする働き方を容認するケースが出てきています。臨床の質を維持しつつ、通勤負担や体力的な負担を減らしてQOLを高めたい先生にとって現実的な選択肢と言えるでしょう。
2026年の医師転職市場を診療科・地域・雇用形態別に分析

転職の戦略を考えるためにも、まず把握しておきたいのが市場の動向です。診療科・地域・雇用形態によっても戦略が変わるため、以下にわけて詳しく解説します。
- 診療科目別の需要動向と求人倍率
- 地方別の転職市場トレンドと地域格差
- 常勤医と非常勤医の市場状況の違い
診療科目別の需要動向と求人倍率
当社の求人状況を踏まえると、診療科別の需要状況は、2026年現在も大きな偏りが続いているように感じます。特に、需要が高い診療科では求人数に対して応募される先生が少なく、条件交渉が有利に進みやすい傾向にあると言えそうです。
※以下は当社コンサルタントの所感です
| 診療科 | 需要動向 | 特記事項 |
|---|---|---|
| 内科(一般・総合) | 安定した需要 | 2026年改定の救急強化方針に伴い、救急対応経験の有無が待遇評価を左右する傾向 |
| 在宅医療・訪問診療 | 需要が高い | 国策の在宅シフト推進や高齢化で求人が急増。需要に対する供給不足が続く |
| 精神科 | 需要が高い | 2026年改定での加算影響を背景に、精神保健指定医の有無による条件差が拡大 |
| 外科系 | 医師不足が継続 | 2026年改定で待遇改善が進む一方、負担の大きさから人手不足 |
| 皮膚科・眼科 | 都市部で供給過剰 | 2026年改定(白内障点数減等)やQOL人気の影響で都市部は供給過剰だが地方は高需要 |
特に外科系は、働き方改革後も労働負担の高さに悩まれる先生からのお声を聞くことがあり、実際に離職・転科を希望する先生が一定数見られます。医療機関からの需要は高い一方で、新たにその科を目指す先生が増えにくいという課題が残っているように見受けられます。
地方別の転職市場トレンドと地域格差
地域別の需給格差は2026年現在も解消されていない傾向にあり、特に都市部では特定の診療科で供給過剰が進む一方、地方では医師不足が深刻なエリアが依然として多く存在していると見受けられます。地域格差は年収にも直結しており、同じ専門医資格でも提示年収に数百万円単位の差が生まれるケースもあるようです。
そのため、「都市部での競争に埋もれるリスク」と「地方での高待遇・希少価値」のどちらを選ぶかは、転職戦略を考えるうえでの重要な視点になるでしょう。
常勤医と非常勤医の市場状況の違い
常勤・非常勤の市場状況には、以前と比べて変化が生じ始めているように感じます。常勤求人は引き続き存在しているものの、週3~4日の時短常勤や非常勤の枠が広がっており、雇用形態の選択肢が多様化しています。
非常勤市場は、特に在宅医療・健診の領域で活況が続いており、高単価の非常勤を複数掛け持ちすることで、常勤と同等以上の収入を得ている先生も少なくありません。
「常勤かどうか」よりも「どの雇用形態が自分のライフスタイルに合っているか」という視点で選択できるかが、2026年の転職市場では重要と言えるでしょう。
転職市場で医師の需要が急増している分野

2026年現在、当社のコンサルタントが特に需要の急増を感じている分野は以下の3つです。
- 地域包括ケアシステムでの医師需要
- 在宅医療・訪問診療の市場拡大
- リハビリテーション医療分野の成長性
地域包括ケアシステムでの医師需要
高齢化の進行と在宅医療推進の方針を背景に、地域包括ケアシステムを担う先生の需要は拡大が続いている印象を受けます。病院完結型の医療から地域完結型への移行が進む中で、外来・在宅・施設を横断して診られる総合的な診療能力を持つ先生が重視され始めていると感じます。
地域包括ケアに関わる医療機関には、当直なし・オンコールなしの求人も一定数存在しており、ワーク・ライフ・バランスを重視する先生にも選びやすい領域と言えます。

地域包括ケア領域への転職で多い相談が、「専門診療科の経験しかなく、総合的な診療に自信がない」というものです。
しかし、採用側が求めているのは広範な対応力を持つジェネラリストではなく、「専門性を持ちながら幅広い患者さまと関われる医師」であるケースがほとんどです。専門性を活かしながら関わり方を広げるという形で転向できる職場も多いため、「専門外だから無理」という先入観を外して情報収集できるかが重要になります。
在宅医療・訪問診療の市場拡大
訪問診療の求人数は増加が続いており、医師不足が解消されていない状況が継続していると見られます。訪問診療は内科系の先生でも処置の幅が広く、手技を維持しながら働ける環境として選ばれやすい領域でもあります。
また、訪問診療クリニックの中には非常勤からスタートできる求人も一定数あり、「経験してから判断する」という入り方ができる点も、転向のハードルを下げる要因と言えます。将来的な訪問診療の需要増加に備えて、今のうちから経験を積んでおくこともキャリア戦略の1つでしょう。
リハビリテーション医療分野の成長性
回復期・維持期を中心としたリハビリテーション医療の需要は、高齢化を背景に安定した伸びが続いている傾向にあります。急性期ほどの緊急性はなく、当直・オンコールが少ない傾向があることから、働き方を変えたい先生に選ばれやすい領域の1つです。
回復期・維持期を中心とした医療機関は、リハビリテーション科専門医の資格を持つ先生だけでなく、内科系・整形外科系の経験を持つ先生にも門戸が開かれています。転科・転向先としても現実的な選択肢と言えるでしょう。
供給飽和が進む医師転職市場の領域

医師が転職を考えた際、供給が飽和しているかどうかは、スムーズに転職を進める上で是非とも把握しておきたい部分の1つです。
- 美容医療・自由診療
- 都市部の一般クリニック
- 診療報酬改定の影響を受けにくい分野
美容医療・自由診療
美容医療・自由診療は、高収益が見込める領域として引き続き注目されていますが、市場の競争も激化しているように感じます。厚生労働省が公表している「医師・歯科医師・薬剤師統計の概要」によると、令和2年(2020年)に美容外科医は全国で924人だったのに対し、令和6年(2024年)には1,720人に増加しています。
参入する医師が増えている一方で、「思ったより稼げなかった」という声も聞かれます。こうした点から、美容医療への転向を検討する際は、法人の集患力・施術のラインナップ・歩合率の条件を事前に細かく確認すると良いでしょう。
都市部の一般クリニック
都市部の一般クリニックをめぐる転職市場では、医師の供給が需要に追いついているエリアも出てきています。厚生労働省が令和6年11月22日に公表している「医師偏在是正対策」によると、大都市圏(東京都など)では一般診療所数が継続して増加している一方、外来需要の伸びは限定的であり、クリニック間での競争が強まっているのが現状です。
こうした背景から、厚生労働省は「外来医師多数区域」における新規開業医に対し、在宅医療や夜間診療など地域で不足する医療機能への協力を求める制度整備を進めています。
これからの転職活動においては、単に「日中のみ・アクセスが良い」という条件だけで判断するのではなく、国の方針や地域の医療ニーズを捉えた事前の情報収集がこれまで以上に重要となるでしょう。
診療報酬改定の影響を受けにくい分野
自由診療・産業医・健診・訪問診療(一部)など、診療報酬改定の直接的な影響を受けにくい分野は、職場環境が変化するリスクが低いとされています。安定した収入環境を優先したい先生にとっては、こうした領域が長期的なキャリアの土台になりやすいと考えられます。
一方で、こうした分野は診療報酬の恩恵も受けにくいため、制度改定によるベースアップの恩恵が届きにくいという側面もあります。安定性と制度的な報酬上乗せのどちらを優先するかを整理したうえで、転職先を選ぶようにしましょう。
2026年の医師転職市場で見つかる好条件求人

2026年現在、医師の転職市場で見つかる好条件な求人には共通項があるように感じます。
- 高年収×低負担を実現する穴場施設形態
- 好条件の求人が集まりやすい狙い目エリア
- 条件交渉ができる求人
高年収×低負担を実現する穴場施設形態
高収入かつ低負担という条件を両立しやすい施設形態として、プライマリーケアを中心としたクリニックが挙げられるでしょう。夜間・当直は基本的になく、残業も少ない一方で、外来患者数が多い施設では年収が高く設定されているケースが見られます。こうした職場では、朝のスタートが比較的遅めで、日中の外来に集中できる働き方が実現しやすい点も特徴のようです。
また、老健施設・療養型病院の管理医師ポジションも、当直なし・規則的な勤務時間で年収が比較的高めに設定されているケースがあります。配置人数が少ない施設ほど希少性が高く評価されやすいため、「自分が担当できる施設の規模感」を把握したうえで探すと、好条件の求人に出会いやすくなるでしょう。

「高年収×低負担」の求人は存在しますが、表面上の条件だけで判断すると入職後にギャップが生じるケースがあります。
例えばプライマリーケアのクリニックでは「外来のみ」とあっても、患者数が多すぎて実質的に残業が発生している職場も存在します。求人票の条件に加えて、「一日の患者数」「スタッフの離職率」「院長の方針」といった内部情報を事前に確認することが重要です。
こうした情報は一般的に入手しづらいため、採用側の内情にも精通した私たち転職コンサルタントまでお気軽にご相談ください。
好条件の求人が集まりやすい狙い目エリア
2026年現在、好条件の求人が集まりやすい「狙い目エリア」として、北関東・甲信越・東海道の新幹線沿線が挙げられます。都心からアクセスしやすい一方で医師不足が続いており、交通費支給・高めの年収設定による差別化を図っている医療機関が一定数存在している印象を受けるためです。
例えば、品川から新幹線で熱海・小田原といったエリアへ通勤している先生も実際に存在しており、都内在住のまま地方の好条件求人を活用できるケースがあります。「地方=引越しが必要」という思い込みを外すことで、想定外の好条件求人にアクセスできるかもしれません。
条件交渉ができる求人
一般に公開されている求人情報だけを頼りに転職活動を進めると、選択肢が限られてしまう可能性があると当社のコンサルタントは見ています。
例えば、採用予算に余裕があるが表立って公募したくない医療機関・条件を柔軟に相談したい医療機関の求人は、転職コンサルタントを通じた交渉によって初めて具体的な条件が提示されるケースが見られます。
こうした点も考慮して、「この条件なら入職を検討できる」という具体的な希望を転職コンサルタントに共有しておきましょう。条件交渉を代行してもらいやすくなります。
交渉前には年収・勤務日数・当直の有無・副業の可否など、複数の条件を優先順位とともに整理しておくと、交渉の土台も作れるでしょう。

条件交渉において重要なのは、「採用側にとってのメリット」を一緒に提示できるかどうかです。
「当直なしにしてほしい」という希望だけを伝えるのではなく、「その代わりに外来患者数○名の集患貢献が見込める」「午前中の手術枠を積極的に担当する」といった形で、病院側の収益や運営に貢献できることをセットで伝える必要があります。
ただし、メリットとなるポイントは採用側によっても異なります。あらかじめ転職コンサルタントを通じて応募先の情報を入手し、交渉戦略を立てることがポイントとなります。
一方で「条件面の交渉は切り出しにくい」と感じる先生も多いのではないでしょうか。そのような場合も、転職コンサルタントにご依頼いただければ、先生の代わりに条件交渉を代行することも可能です。市場状況を踏まえた条件面の妥当性や、応募先に合わせた戦略立案のサポートも可能ですので、お気軽にご相談ください。
転職市場の変化を味方につけて理想のキャリアを実現しよう

2026年の医師転職市場は、「医師側の交渉力が高まっている傾向にある」という点で、これまでの転職市場とは異なる局面にあると考えられます。当直なし・土日休み・社保維持といった条件が現実的に交渉できる環境になりつつある今は、自分の希望を明確にして動き出せるかが重要です。
一方で、供給過剰が進む診療科・地域も存在していると見受けられ、「なんとなく転職すれば良くなる」という受け身の姿勢では、現在の職場より条件が下がりかねません。転職市場の変化を正確に把握したうえで、自分のキャリアと市場のニーズを掛け合わせた戦略的な転職活動を行いましょう。
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