医学生・医師の方向け在宅医療の今、未来

高齢者の人口が急速に増加している現在の日本。2025年には、国民の4人に1人が75歳以上の後期高齢者という超高齢社会を迎えます。このいわゆる「2025年問題」は、医療をはじめ様々な分野に大きな影響を与えるとされています。

今後のニーズに対応していくため、医療・介護分野の整備や人材の確保など、医療提供体制や地域包括ケアシステムの構築が急務となっています。

在宅医療の提供体制については、自分らしい暮らしを続けながら住み慣れた生活の場において療養を行うことを可能とするため、その確保が重要であり、高齢化や地域医療構想による病床の機能分化・連携により生じる医療ニーズの受け皿としても大きな役割を担うものとされています。

現在の在宅医療について

人口の変化

2021年に総務省が公開した推計によると65歳以上の高齢者の人口は、3640万人と、前年に比べ22万人増加し、過去最多という結果に。総人口に占める割合においても、前年に比べ0.3ポイント上昇し29.1%となり、過去最高というデータが発表されました。※1厚生労働省の白書によると、2065年には、我が国の人口の高齢化率が約38%に達するという厳しい見通しが示されています。※2

在宅医療を受ける患者数については、年々増加傾向にあります。2019年の調査によると、在宅医療を受ける患者の年齢内訳は、約9割の患者が75歳以上の高齢者であるという結果になりました。※3

出典:

  1. ※1 総務省統計局「統計トピックスNo.129 統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで-1.高齢者の人口」
  2. ※2 厚生労働省「平成29年版 厚生労働白書(平成28年度厚生労働行政年次報告)厚生労働省 ―社会保障と経済成長―」
  3. ※3 厚生労働省「在宅医療の現状について」
人口ピラミッドの変化のグラフ 出典:「平成29年版 厚生労働白書 -社会保障と経済成長 図表1-1-1 人口ピラミッドの変化(1990、2015、2025、2065)-平成29年中位推計-」より
在宅患者訪問診療料、往診料の件数の推移グラフと在宅患者訪問診療料における年齢階級年齢階級別分布のグラフ 出典:厚生労働省「在宅医療の現状について 在宅患者訪問診療料等の件数の推移」より

一方、在宅医療を支える在宅療養支援診療所数は増加傾向にあったものの、平成26年頃を境に横ばいや、やや減少傾向にあります。在宅医療が進展しない理由にはどのような背景があるのでしょうか。

在宅診療支援診療所のグラフと在宅療養支援病院のグラフ 出典:厚生労働省「在宅医療の現状について 在宅療養支援診療所・病院の届出数の推移 <在宅療養支援診療所>」より

現場から見える問題点

在宅医療のニーズが高まり、体制構築が急務であるにも関わらず、実際はなかなか進展がみられないのが現状です。ではその理由をみてみましょう。

  • 医師数を多く抱えられない診療所では、24時間対応体制で在宅医療を提供することが難しい
  • オールマイティな医師が求められる一方で、診療科目に特化した専門医の需要も高い。広く深い知見が求められており、双方に対応しきれず疲弊している
  • 実態を十分把握していない状態で在宅医療をはじめ、現実と想像のギャップを感じ早離職につながってしまう

国としても在宅診療を担える医療機関を増やしたいという想いがある一方で、上記の理由から数・質ともに十分な状況とは言い難いのが現状です。

国の目指す方向性

在宅医療のニーズは高齢者の対応を中心として、今以上に需要が高まることが有力視されています。そこで、国は在宅医療の重点分野に対応していくための課題を整理し「7つの柱」を策定しました。

重点分野に対応していくための課題整理と7つの柱の参考図 出典:「第5回 全国在宅医療会議 資料2-1 重点分野に対応していくための課題整理と7つの柱の策定」を参考に作成

「7つの柱」の1つに【在宅医療に関わる関係者への普及・啓発】が掲げられています。

在宅医療に関わる関係者への普及・啓発

  • 在宅医療に関わる職種も在宅医療について知らないことがある
  • 在宅医療に取り組む専門職種が不足している
  • 知識・技術を習得するコンテンツが整備されていない
  • 在宅医療の教育・研修を受ける機会や体験する機会がないということを課題として考えている

上記4つの課題に対して、普及啓発モデルを構築していくことを重点に置き、取り組んでいく見通しです。

普及啓発モデル構築、その他の柱の目標とする「医療連携モデル構築」、「エビデンス構築」が行われることで、在宅医療は広がっていくと国は考えています。

当社の想い

当社には、転職したい医師と医療機関をつないできた豊富な経験があります。そのノウハウを最大限に活かし、在宅医療の7つの柱の1つである【在宅医療に関わる関係者への普及・啓発】という観点から在宅医療の推進に貢献していきたいと考えています。

在宅医療に関わる職種のなかでも、「医師」にフォーカスを当て、その意義や求められること・業務内容を広く伝えていくのが当社のミッションの一つです。また、諸条件だけではなく、在宅医療に注力する医療機関のヒアリングを行い、クリニック・医療機関の想いを大切にしたマッチングに取り組んできます。これからの未来に向けて。私たちの思いが、在宅医療に貢献する医師の皆さまの一助になれば幸いです。

在宅医療に熱心に取り組む医療機関

全国には在宅医療に熱心に取り組まれている医療機関があります。医療機関のご紹介と、担当コンサルタントからのメッセージをご覧ください。

がんこクリニック

がんこクリニックは2014年に福岡市博多区で開院された、訪問診療・外来診療を行うクリニックです。本当に相手のことを真に思いやるということをがんこに追求するという想いを込めて「がんこクリニック」という名前を付けました。理事長の渡邉寛宣先生を含め、経験豊富な医師が多く在籍し、患者様の生活に寄り添った診療を行っています。

また、がんこクリニックを運営する医療法人寛恵会は、福岡市東区で外来診療を行っている「なた内科診療所」と2022年4月に福岡市博多区にオープンしたららぽーと福岡内にがんこクリニックららぽーと福岡を運営しています。

担当コンサルタントより

理事長の渡邉先生の大切にされている価値観である「誠実であることをがんこに追求する」という姿勢は、がんこクリニックの診療スタイルをそのまま表現したような言葉であると感じています。

がんこクリニックでは、患者様やそのご家族とのコミュニケーションをとても大切されています。訪問診療に訪れた際、患者様から様々なご要望を受ける事があります。ご要望をそのまま聞き入れることは簡単ですが、その希望を聞き入れることが本当に患者様にとって最良なのかを真剣に考える。メリット・デメリットも患者様にしっかりお伝えすることで、最良の道を一緒に決めるのが、がんこクリニック様が大切にされている診療スタイルです。

訪問診療医としてだけでなく、全ての医療に通ずる経験や価値感を得られる環境がここにあります。がんこクリニック様に興味をお寄せいただいたようでしたら、是非この渡邉先生のインタビュー記事をご覧ください。

がんこクリニックの
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よこはまあおとクリニック

よこはまあおとクリニックは2016年11月に横浜市緑区に開院された訪問診療・外来診療を行うクリニックです。「患者様に寄り添った診療」を大切にされており、全職員が同じ思いを胸に診療を行うことで、地域のケアマネージャー、訪問看護師、連携病院の地域連携室から信頼も厚く、現在では約400名もの患者様をご担当されています。

そうした「人のためになりたい」という温かな思いは、院外の患者様のみならず、院内の雰囲気にも色濃く出ており、「職員は家族」として、全職員が気持ちよく・幸せに勤務ができる風通しの環境が整っており、非常にスタッフの定着率も高いクリニックです。

担当コンサルタントより

当クリニックでは、時間外対応は外注をせず、院内の常勤医師でご対応されています。これも「患者さま第一」の方針のもと、その患者様を把握している医師・看護師で診療を行うという、首尾一貫した対応により、患者様からの大きな信頼・満足に繋がっていると考えます。

また、各科様々な先生が在籍しているため、患者様の症状で何か困った時も、各専門の先生に質問できる環境が整っています。在宅医療経験が豊富な先生はもちろん、これから経験を積まれたい未経験の先生にも自信を持っておすすめできる医療機関様です。

クリニックを象徴する、温和な畑中院長のもと、全員が院長そしてスタッフを信頼・尊敬し診療を行われており、今までご紹介させていただいた先生方から「本当に楽しく働かせていただいています!」というお声を非常に多くいただきます。季節の多彩なイベントや外部講師を招いての院内学習などについては、クリニックのブログにも多く記載がございますので、ぜひご覧下さいませ。

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