眼科専門医の概要と取得条件

基本領域

眼科専門医の概要と取得条件

科目概要

眼科専門医は、眼科の診療領域におけるさまざまな検査、治療、手術についての十分な知識・経験があり、適切な眼科医療を提供できる医師のことを示します。眼科専門医試験を受験するためには、専門医制度研修施設での5年以上の研修、または卒後研修の2年を含めた計4年以上の眼科における臨床研修を行い、最終的には6年以上の臨床経験を積む必要があります。

所属学会

公益財団法人 日本眼科学会

専門医数

11,331名
専門医機構認定専門医数:0人 ※1

性別比(男:女)

病院 57.9:42.1※2
診療所 62.9:37.1

平均年収

1,583万円 ※3

専門医取得条件

■平成15年以前に医師国家試験を合格した者

  1. 認定研修施設(一般研修施設)において5年以上専門医制度規則施行細則第7条で定められた眼科臨床研修を行った者
  2. 4年以上日本眼科学会会員である者
  3. 受験時に日本眼科医会会員である者

■平成16年に医師国家試験に合格し、平成29年以前に眼科臨床研修を開始した者

  1. 厚生労働省の定める2年の医師臨床研修修了後、一般研修施設において4年以上専門医制度規則施行細則第7条で定める研修内容による眼科臨床研修を行った者
  2. 4年以上日本眼科学会会員である者
  3. 受験時に日本眼科医会会員である者

平成17年~平成27年に医師国家試験に合格し、平成29年以前に眼科臨床研修を開始した者

  1. 厚生労働省の定める2年の医師臨床研修修了後、眼科研修プログラム施行施設(基幹研修施設)において当初2年の間に行う1年以上の眼科臨床研修を含め、4年以上専門医制度規則施行細則第7条で定める研修内容により、一般研修施設において眼科臨床研修を行った者
  2. 4年以上日本眼科学会会員である者
  3. 受験時に日本眼科医会会員である者

平成16年以降に医師国家試験に合格し、平成30年以降に眼科専門研修を開始した者(日本専門医機構専攻医登録者)

  1. 厚生労働省の定める2年の医師臨床研修修了後、専門研修基幹施設(日本専門医機構の専攻医登録が必要)において、当初2年の間に行う1年以上の眼科専門研修を含め、4年以上専門医制度規則施行細則第7 条で定める研修内容により専門研修連携施設や関連施設において眼科専門研修を行った者
  2. 4年以上日本眼科学会会員である者
  3. 受験時に日本眼科医会会員である者

プログラム修了要件の詳細については以下を参照

専門研修プログラム整備基準 【出典】公益財団法人 日本眼科学会

日本専門医機構専攻医登録者の専門医試験内容

■一次審査

日本専門医機構の専門医制度整備指針で定められている以下の審査を日本眼科学会が行います。

  1. 専門医申請資格審査
  2. 申請資格書類審査
  3. 専門医認定試験

専門医認定試験

試験内容:『日本眼科学会専門医認定試験出題基準』に準拠

試験方法:
第1日目 筆記試験
多肢選択方式 一般問題100問(120分)、臨床実地問題50問(120分)
第2日目 口頭試問(約15分/1人)

※コロナ禍では例年の口頭試問は行えないため、「口頭試問に準じた筆記試験(45分)」として口頭試問に近い質問となるように実施。

■二次審査

日本眼科学会による一次審査の結果をもとに、日本専門医機構が最終審査をします。

<補足>
出願時は、『日本専門医機構眼科専門医認定試験実施要項』の「受験願書提出時チェック表」を確認し、順番に揃えて日本眼科学会専門医制度委員会事務局宛に出願書類を送付します。なお、受験料は50,000円です。

眼科専門医資格認定試験については以下を参照

第34回日本眼科学会専門医認定試験および第1回日本専門医機構眼科専門医認定試験実施要項 【出典】公益財団法人 日本眼科学会

専門医更新条件

眼科専門医資格の有効期限は5年間です。専門医認定期限が満5年を迎える前に更新申請を行わなければなりません。

新専門医制度の専門医資格更新では、日本眼科学会専門医制度規則施行細則の資格更新基準と日本専門医機構の専門医更新基準の双方を満たす必要があります。

<日本眼科学会専門医制度規則施行細則 資格更新基準>

  1. 専門医認定日から5年間以上、眼科臨床経験(※1)を有することを大学眼科主任教授もしくはこれに準ずる者、または、日本眼科医会会長が証明した者
  2. 専門医認定日から継続して日本眼科学会及び日本眼科医会会員である者
  3. 専門医認定日から更新基準に定めるところにより5年間に50単位を取得した者
  4. 専門医認定日から5年間に日本眼科学会総会において学会出席による単位を取得した者
※1 眼科臨床経験の算定基準は、2022年10月から週3日以上(教育・診療管理等を含む)の勤務へ変更となります。なお、資格更新認定時に、専門医資格取得日から25年以上経過している方は、眼科臨床経験の証明をいただく必要はございますが、臨床経験に関わっていることを条件に週3日以上の算定基準が免除されます(申請方法は検討中です)
*上記3の50単位の内訳は下記7の通りです。

<日本眼科学会専門医制度規則施行細則 資格更新基準とともに必須となる機構専門医更新基準>

  1. 直近1年間の勤務実態の自己申告
  2. 診療実績の証明(過去5年間の内、50症例の報告)の提出
  3. 診療実績の証明・共通講習等を含む新専門医制度の50単位の取得
    項目 取得単位数
    a) 診療実績の証明(上記(6)に該当)(必須) 5単位
    b) 共通講習(必須) 3~8単位
    ・学会専門医からの移行措置者 → 3単位
    ・新専門医制度研修修了後、機構専門医資格取得者 → 8単位(多様な地域における勤務が認定された場合は3単位)
    c) 眼科領域講習(必須) 最少27単位
    d) 学術業績・診療以外の活動実績 0~10単位
    合計 50単位以上

詳細については以下を参照

専門医資格更新認定(新専門医制度) 【出典】公益財団法人 日本眼科学会

専門医試験受験者数

300人(令和2年度/2020年度)

専門医試験合格者数

237人(令和2年度/2020年度)

専門医試験合格率

79.0%(令和2年度/2020年度)
  • ※1 令和3年(2021年)8月時点
  • ※2 令和2年(2020年)12月31日時点
  • ※3 令和2年(2020年)10月時点のドクタービジョン掲載求人をもとに平均値を出しています

眼の健康に関する全ての診療を請け負い、患者さまに「見える」喜びを/眼科専門医

眼の病気は直接命に関わることはほとんどありません。しかし、視力が失われれば、生活や人とのコミュニケーションに大きな変化をもたらすことは容易に想像できます。最新の眼科治療により、患者さまに「見える」喜びを提供できるのは、眼科専門医の最大の魅力です。

診療科選択は、医師のキャリア最大の分岐点とも言えます。自分が医師としてどのようなことを成し遂げたいのか、どのようなキャリアを歩んでいきたいのかを熟考し、納得のいく診療科選択をしましょう。

基本領域(19領域)

新専門医制度の19領域より、専門医に関する情報を科目毎にまとめています。以下のリンクよりご確認ください。学会に所属する医師の人数・性別比・平均年収、さらに専門医取得条件や専門医試験内容、専門医試験の受験者数・合格者数・合格率などが分かるため、キャリア選択の参考に役立ちます(以降の科目は順次更新予定)。

注意事項

  • 本ページは公開日2022年7月12日時点の情報を参考に作成しております。
  • 最新の情報につきましては、厚生労働省や各学会の発表をご確認ください。