【診療科別】勤務医の忙しさと満足度について

医師がキャリアや働き方を考える上で参考となる情報をお届けします。
医療業界動向や診療科別の特徴、転職事例・インタビュー記事、専門家によるコラムなどを日々の情報収集にお役立てください。

キャリア

公開日:2018.09.19
更新日:2021.05.27

【診療科別】勤務医の忙しさと満足度について

【診療科別】勤務医の忙しさと満足度について

医師は高年収ながらも激務になりやすい職業です。また、診療科や年代によっても忙しさの差が生じます。こちらでは、労働時間や仕事内容、給与・賃金に対する満足度に関する資料をもとに、医師の労働環境の実態について触れていきます。

労働時間・有給取得日数について

労働時間・有給取得日数について

週勤務時間が地域医療確保暫定特例水準を超える医師の割合

まず、週勤務時間が地域医療確保暫定特例水準を超える医師の割合について、診療科別・年代別に見ていきます。

1.診療科別

内科系10.1%
外科系14.2%
産婦人科20.5%
小児科11.5%
救急科14.1%
麻酔科7.5%
精神科5.1%
放射線科2.6%
臨床研修医13.3%
卒後3〜5年目19.4%
その他6.2%

2.年代別

20代17.7%
30代15.7%
40代12.6%
50代5.1%
60代2.2%
70代以上1.7%

▼参考記事はコチラ
厚生労働省「医師の働き方改革に関する検討会報告書」

このデータを見ると、週勤務時間が水準を超過している割合が最も高いのは「産婦人科」で、逆に割合が最も低いのは「放射線科」であることがわかります。また、卒後3〜5年目の医師や臨床研修医も長時間労働になりやすい傾向があります。

さらに年代別に見ていくと、最も割合が高いのは20代で、そこから年代を重ねるごとに労働時間は短くなる傾向にあることがわかります

年次有給休暇取得日数について

独立行政法人 労働政策研究・研修機構「勤務医の就労実態と意識に関する調査」によると、1年間に実際に取得した年次有給休暇の取得日数は、「4~6日」が25.8%、次いで「1~3日」が24.9%、「0日」が22.3%という結果で、約半数(47.2%)が「3日以下」となっています。

さらに、年次有給休暇の取得日数が少ない「3日以下」の割合を診療科別に見ると、「脳神経外科」が55.2%、「呼吸器科・消化器科・循環器科」が52.8%、「救急科」が50.0%などとなっています。

有給休暇取得が困難な背景としては、代務者を自分で探す手間や慢性的な医師不足などの問題が考えられます。一方で、近年では医師の働き方改善に向けた動きが活発化している影響もあり、勤務医に対して有給休暇取得を促す病院も増加傾向にあるようです。

勤務先の仕事の質・内容に関する満足度

勤務先の仕事の質・内容に関する満足度

次に、勤務先の仕事の質・内容に関する満足度について見ていきます。以下の表は「満足である」「まあ満足」と回答した診療科別の医師の割合です。

麻酔科69.3%
産科・婦人科68.7%
放射線科62.3%
小児科61.0%
眼科・耳鼻咽喉科・泌尿器科・皮膚科60.8%
整形外科59.4%
精神科58.8%
救急科58.3%
内科56.7%
外科56.3%
呼吸器科・消化器科・循環器科54.1%
脳神経外科52.8%
その他54.8%

▼参考記事はコチラ
独立行政法人 労働政策研究・研修機構「勤務医の就労実態と意識に関する調査」

最も満足度が高いのは「麻酔科」で69.3%という結果に。おもに手術現場で活躍する麻酔科医は激務になりやすい傾向にありますが、どの診療科からも頼りにされるためやりがいを感じる機会も多いようです。ほかにも「産科・婦人科」「放射線科」「小児科」「眼科・耳鼻咽喉科・泌尿器科・皮膚科」も満足度が60%を超えています

また、勤務先(職場全体)の満足度について「満足である」とする割合は64.0%で、「不満である」とする16.2%を大きく上回る結果となっています。

経営形態別に見ると「満足である」とする割合が高いのは、「医療法人」「その他の法人」「公的」などで、逆に「不満である」とする割合が高いのは、「国立」「学校法人」「社会保険関係団体」となっています。

給与・賃金の額に対する満足度

給与・賃金の額に対する満足度

最後に、給与・賃金の額に対する満足度について見ていきます。以下の表は「満足である」「まあ満足」と回答した診療科別の医師の割合です。

小児科51.2%
産科・婦人科47.6%
精神科45.8%
麻酔科45.8%
脳神経外科44.7%
内科42.5%
外科38.8%
整形外科38.1%
救急科36.1%
眼科・耳鼻咽喉科・泌尿器科・皮膚科34.8%
呼吸器科・消化器科・循環器科33.5%
放射線科31.6%
その他33.9%

▼参考記事はコチラ
独立行政法人 労働政策研究・研修機構「勤務医の就労実態と意識に関する調査」

給与・賃金の額に「満足である」とする割合は、「小児科」が 51.2%で最も高く、次いで「産科・婦人科」が47.6%、「精神科」が45.8%という結果に。これらの診療科はいずれも女性医師が占める割合が高く、出産や子育てなどによる休暇にも比較的理解があることが多いため、ワークライフバランスを整えやすいといわれています。

ちなみに、小児科の年収分布について同参照元によると、年収300万円未満は2.4%、500万円未満は7.7%、700万円未満は5.9%、1,000万円未満は14.8%、1,500万円未満は33.1%、2,000万円未満は28.4%、2,000万円以上は7.7%となっています。

「医師の働き方改革」にも期待

「医療の質」の向上のためには、医師が高いパフォーマンスを発揮できる環境が必要不可欠です。2024年度からは「医師の働き方改革」が推進されることとなっており、時間外労働の規制などによる負担の軽減が期待されています。医療従事者が働きやすい「雇用の質」の向上こそが、未来の日本の医療をさらに素晴らしいものにする鍵となるはずです。

ドクタービジョン編集部

医師がキャリアや働き方を考える上で参考となる情報をお届けします。医療業界動向や診療科別の特徴、転職事例・インタビュー記事、専門家によるコラムなどを日々の情報収集にお役立てください。

今の働き方に不安や迷いがあるなら医師キャリアサポートのドクタービジョンまで。無料でご相談いただけます